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夏はきぬ

卯の花を見かけるようになった。
私が小さかったころ、祖母は、この花を見るたびに「夏は来ぬ」という歌を歌ったものだった。

その歌は「卯の花のにおう垣根に…」とはじまるのだ。

文語調の歌詞で、まだ4歳、5歳ぐらいだった私には意味があまりわかる歌ではなかったが、それでも、一緒に歌った。

当時はだれもスマホなんて持っていない。暇つぶしに歌を歌うという娯楽があった。

なんせ田舎のことだ、声を張り上げて歌っても誰にも文句を言われない。小学生ぐらいの子供から、道を散歩する親子連れ、孫を子守するおじいちゃんおばあちゃんまで、みんな歌っていた。

 明かりをつけましょ爆弾に…というひな祭りの歌の替え歌や、軍艦マーチの替え歌で、「戦艦ヤマトが沈むとき、山田太郎が逃げおくれ、破れたパンツにパラシュート、落ちたところは女風呂」みたいな、男の子好みのからかい歌まで、遊びの一種としてみんなで知っている歌をうたいまくる…という遊びがあった。歌謡曲も、一人が歌えば流行りの歌なら大抵みんなが歌えた。

 そういう歌に比べると、祖母が歌う歌というのは、昔の学校の唱歌などが多かったけれど、子供はつまり暇がつぶれればなんでもいいのだ。

 そんなわけで、私は文部省唱歌が結構歌えたりする。

 そこで、「ホトトギス」という鳥はどんな鳥なのか、とか、ただ鳥が鳴いている…ということを詩的に表現…という言葉は知らなかったが、「しのびねもらす」と、普段は使わない方法で表現する、歌を歌うときのやり方があることを覚えた。

 これを家で歌っているときに、親戚のおじさんがいると、必ず最後に「冬は木綿か」と言っては笑う。
 小学校入学前の私には、何のことなのかさっぱりわからなかったが、オジサンは必ずそれを口にした。誰も反応しないそれを、思い出したのは、今日、卯の花を見たときだ。

 歌詞と、メロディと、そして最後のおじさんのセリフまで全部思い出してから、私は、「冬は木綿」というのが、歌詞の最後の「夏はきぬ」にかけた冗談だ、ということを40年以上たった今、知った。

 夏が絹ごしなら、冬は木綿か(豆腐の)。ということだったんだね。
全くもう、オヤジギャグだ。それもそれほどウケるものでもなく、毎回言うので、スルーされてたんだね…。

 当時の私にはわからなかったけど、お愛想にでも、笑ってあげればよかったなあ。

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コメント

夏は絹

こんにちは~。

石鹸のCMだったかな?その昔、「夏~は絹~♪」っていうのありましたよ。絹石鹸っていう商品だったと思うんだ。

夏目雅子が出ててキレイだったなー。

好きな歌

五月雨のそそぐ山田に 早乙女が裳裾(もすそ)ぬらして 玉苗(たまなえ)植うる夏は来ぬ。
この二番が特に好きです。

こんにちは

そうなのですか。
聞いた事ないかもなぁ(・。・)

ぢょん でんばあさんへ

えー。そんなCMが…真面目なだけに、駄洒落とのギャップが…。もしかしたら親戚のおじさんは、そのCMを知っていたのかもしれませんね。
夏目雅子さんは、当時は名前を知りませんでしたが、夏休みに放送していた「西遊記」の実写版ドラマの三蔵法師がその人、という知識があります。
その名前を聞くと問答無用で三蔵法師が頭に…(笑)。

MKさんへ

著作権をどうこう言う人が昔私がやっていたブログには出たことがあるので、歌詞は全部は書きませんでした。
2番は、覚えていませんでしたねえ。

よしおさんへ

多分、年代の差だと思われます。
ちなみに、昭和40年代より前の人は、この曲が教科書にのっていて、「こいのぼり」の歌とか、「さくら」とかと並んでいて、誰でも歌えたようです。

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    まこ

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