フレンチレストラン
家族の誕生日には、外食をするという習慣がある。
お誕生日のごちそうを作る…というのは、本人の希望と、調理担当者である私のスキルが一致した場合はやるけれども、大体は外に食べに行くほうが断然おいしい。
今日は、何を食べようか、ということになった。寿司か、フレンチか、イタリアンがいい、ということになった。
特にフレンチは、電車に乗らないで行ける範囲に2軒。特にそのうち1軒は、なかなか行けない。遠いのではないのだけれど、とても小さいレストランで、土曜日の夜なんて見ただけでいっぱいなのがわかるぐらいで、思いついて金曜日に電話を掛けたらもちろん予約だっていっぱい、みたいなレストラン。
でもここ…おいしいんだよなあ…。一度だけ、確か息子が初めてお泊り遠足に行った平日に二人でディナー食べたんだっけ。
あの店…また行きたいねえ、となって、今回は早めに予約を取った。
もう息子も小学校高学年、アメリカ滞在でナイフとフォークも使い慣れたし、多分いけるだろう、ということで、ミニコースの予約にしてみた。
魚のコースと肉のコースと、両方が出るコースがあるのだが、確か前回は魚のコースで、ちょうどいいぐらいだったはず…。これで肉まで出たら、多分食べられなかったよ、と前回食べたとき二人で顔を見合わせた経験があるので、一品だけにして、夫婦で魚のコース、息子は肉のコースで。
皮がパリパリで温かいバゲット。
型抜きのバターがかわいい。
おいしいねえ…。という月並みな感想しか出ないが、日本のパンっていい。アメリカにいたときは、こういう中身がふんわり、なおかつしっとりしていて、外側がぱりぱりに香ばしいパンは店では買えなかった。
割るとパンくずが散るけれども、皮を噛むとすごくいい音がする。
こういうパンを食べると、パンの端っこのところが、真ん中のやわらかいところより好き、という人がいるというのもうなずける。
パンのあとは、カボチャのポタージュが出た。
大きいお皿なんだけど、くぼんだ部分が小さくて、そこにちんまりとスープが入っている。
生クリームの効いた味で、ひとさじ食べると、カボチャの甘味と、いい塩加減が、やっぱりこういうものは単純に見えてもプロが作るものは違うな…と思わせる味。
そろそろ終わり…というぐらいになったときにかき寄せるとお皿に筋が残るぐらいの濃さで、もうひとさじ、あればいいのに、と思うスープだった。
前菜はレンズマメとエビの煮物。エビのソースだと思う、オレンジ色のソースに、ごぼうと、レンコンとレンズ豆、ケッパーが散らしてあって、その酸味がおいしかった。はあ…。レンズマメは水につけておくとか準備なしでもやわらかくなるのが早いので、アメリカではよく使ってスープにしたけど…なんでもない素材なのに、おいしいなあ…。もうこれだけでメインがはれるおいしさ。
繊維質がちゃんと入っていて、健康によさそうなのもいいよね。
次がメイン。サゴシ、エビ、タイ。魚は皮はパリッと、でも身はやわらかく焼かれている。家で焼くと、皮が焦げるか、身の端が固くなるか…という感じなので、やっぱりこれは絶妙な焼き加減。家では魚の皮を絶対食べない(私と息子は割と食べる派だ)夫も、はがさず食べていた。
白身はあっさりしているのだけれども、ソースがちょっとバターの入った味で、付け合わせに青梗菜とズッキーニ。野菜でソースを拭きとって食べ終わるころにはかなりおなかが一杯に。
そしてエビが…。頭を取ってぱっくり食べたら、夫も私も無口になったぐらい、おいしかった。
焼いたエビ…としか言えないんだけど、どうしてこんなにおいしいんだろう。二人で顔を見合わせて口に出さずにおいしいね、と確認してしまった味だった。
誰も他にお客さんがいないし、お店の人も厨房にいて、見ていないのをいいことに、私も夫も行儀悪く頭まで分解してかじったぐらい。(頭もおいしかった)
ちなみに息子のは「一口ステーキのキノコソース添え」とマッシュポテトだったのだが、息子も無口になってステーキを口に運んでいた。マッシュポテトに、残りのステーキソースで食べているののおいしそうだったこと!息子はうんと小さいころからそうだった、本当においしいものを食べるときは、にこにこしたりしない。真面目な顔をして、ただひたすら口に運ぶ。
食べ終わってから、ため息をついていた。
そしてデザート。ババロア、プリン、シャーベット。
カシスシャーベットは冷たく甘酸っぱくて、あっという間に消え、ババロアは紅茶味で、とてもいい匂いがしてスプーンに3すくい分ぐらいしかなかったのが惜しかった。プリンはいかにも「卵と牛乳と、クリームで作りましたっ」という味で、カラメルも苦すぎず、さすがの出来栄え。
ちょっとずつ、3種類食べられるのがいいね…と食べて、紅茶とコーヒー、息子はオレンジジュースで締めくくって帰ってきた。
オレンジジュースはしぼりたてっぽい味で、とてもおいしかったそう。
いつか…これを読み返したとき、この時はこんなの食べて、おいしかったなあ…って思いだすんだ。写真を撮るよりも、イメージのほうがおいしそうに思い出せる気がする。
お誕生日のごちそうを作る…というのは、本人の希望と、調理担当者である私のスキルが一致した場合はやるけれども、大体は外に食べに行くほうが断然おいしい。
今日は、何を食べようか、ということになった。寿司か、フレンチか、イタリアンがいい、ということになった。
特にフレンチは、電車に乗らないで行ける範囲に2軒。特にそのうち1軒は、なかなか行けない。遠いのではないのだけれど、とても小さいレストランで、土曜日の夜なんて見ただけでいっぱいなのがわかるぐらいで、思いついて金曜日に電話を掛けたらもちろん予約だっていっぱい、みたいなレストラン。
でもここ…おいしいんだよなあ…。一度だけ、確か息子が初めてお泊り遠足に行った平日に二人でディナー食べたんだっけ。
あの店…また行きたいねえ、となって、今回は早めに予約を取った。
もう息子も小学校高学年、アメリカ滞在でナイフとフォークも使い慣れたし、多分いけるだろう、ということで、ミニコースの予約にしてみた。
魚のコースと肉のコースと、両方が出るコースがあるのだが、確か前回は魚のコースで、ちょうどいいぐらいだったはず…。これで肉まで出たら、多分食べられなかったよ、と前回食べたとき二人で顔を見合わせた経験があるので、一品だけにして、夫婦で魚のコース、息子は肉のコースで。
皮がパリパリで温かいバゲット。
型抜きのバターがかわいい。
おいしいねえ…。という月並みな感想しか出ないが、日本のパンっていい。アメリカにいたときは、こういう中身がふんわり、なおかつしっとりしていて、外側がぱりぱりに香ばしいパンは店では買えなかった。
割るとパンくずが散るけれども、皮を噛むとすごくいい音がする。
こういうパンを食べると、パンの端っこのところが、真ん中のやわらかいところより好き、という人がいるというのもうなずける。
パンのあとは、カボチャのポタージュが出た。
大きいお皿なんだけど、くぼんだ部分が小さくて、そこにちんまりとスープが入っている。
生クリームの効いた味で、ひとさじ食べると、カボチャの甘味と、いい塩加減が、やっぱりこういうものは単純に見えてもプロが作るものは違うな…と思わせる味。
そろそろ終わり…というぐらいになったときにかき寄せるとお皿に筋が残るぐらいの濃さで、もうひとさじ、あればいいのに、と思うスープだった。
前菜はレンズマメとエビの煮物。エビのソースだと思う、オレンジ色のソースに、ごぼうと、レンコンとレンズ豆、ケッパーが散らしてあって、その酸味がおいしかった。はあ…。レンズマメは水につけておくとか準備なしでもやわらかくなるのが早いので、アメリカではよく使ってスープにしたけど…なんでもない素材なのに、おいしいなあ…。もうこれだけでメインがはれるおいしさ。
繊維質がちゃんと入っていて、健康によさそうなのもいいよね。
次がメイン。サゴシ、エビ、タイ。魚は皮はパリッと、でも身はやわらかく焼かれている。家で焼くと、皮が焦げるか、身の端が固くなるか…という感じなので、やっぱりこれは絶妙な焼き加減。家では魚の皮を絶対食べない(私と息子は割と食べる派だ)夫も、はがさず食べていた。
白身はあっさりしているのだけれども、ソースがちょっとバターの入った味で、付け合わせに青梗菜とズッキーニ。野菜でソースを拭きとって食べ終わるころにはかなりおなかが一杯に。
そしてエビが…。頭を取ってぱっくり食べたら、夫も私も無口になったぐらい、おいしかった。
焼いたエビ…としか言えないんだけど、どうしてこんなにおいしいんだろう。二人で顔を見合わせて口に出さずにおいしいね、と確認してしまった味だった。
誰も他にお客さんがいないし、お店の人も厨房にいて、見ていないのをいいことに、私も夫も行儀悪く頭まで分解してかじったぐらい。(頭もおいしかった)
ちなみに息子のは「一口ステーキのキノコソース添え」とマッシュポテトだったのだが、息子も無口になってステーキを口に運んでいた。マッシュポテトに、残りのステーキソースで食べているののおいしそうだったこと!息子はうんと小さいころからそうだった、本当においしいものを食べるときは、にこにこしたりしない。真面目な顔をして、ただひたすら口に運ぶ。
食べ終わってから、ため息をついていた。
そしてデザート。ババロア、プリン、シャーベット。
カシスシャーベットは冷たく甘酸っぱくて、あっという間に消え、ババロアは紅茶味で、とてもいい匂いがしてスプーンに3すくい分ぐらいしかなかったのが惜しかった。プリンはいかにも「卵と牛乳と、クリームで作りましたっ」という味で、カラメルも苦すぎず、さすがの出来栄え。
ちょっとずつ、3種類食べられるのがいいね…と食べて、紅茶とコーヒー、息子はオレンジジュースで締めくくって帰ってきた。
オレンジジュースはしぼりたてっぽい味で、とてもおいしかったそう。
いつか…これを読み返したとき、この時はこんなの食べて、おいしかったなあ…って思いだすんだ。写真を撮るよりも、イメージのほうがおいしそうに思い出せる気がする。
コメント
お誕生日の本人以外の家族も楽しめて、良いお誕生日祝いですね。
近くに素敵なお店があって、羨ましいです♪
事細かな食事の描写は読んでいるだけで、よだれが出そうになりました、ほんと美味しそう♪
写真撮らなくても、記憶に残る想い出になりますね~
息子さんは真面目にお食事をするって、すばらしいですね。
近くに素敵なお店があって、羨ましいです♪
事細かな食事の描写は読んでいるだけで、よだれが出そうになりました、ほんと美味しそう♪
写真撮らなくても、記憶に残る想い出になりますね~
息子さんは真面目にお食事をするって、すばらしいですね。
ヨッシィーさんへ
確かに低学年の頃は、親の分を2人分とって、取り分ければいいぐらいしか食べなかったんですが、年齢が2ケタになるとかなり食べるようになりました。
写真にとると、印象が薄くなるような気がして、結局撮りませんでした。きれいな盛り付けではあったんですが、やっぱり覚えておきたいのは味の印象ですよね。
写真にとると、印象が薄くなるような気がして、結局撮りませんでした。きれいな盛り付けではあったんですが、やっぱり覚えておきたいのは味の印象ですよね。
wancoさんへ
小説なんか読んでいても、料理の描写がおいしそうなのっていいですよね。実際に食べたことなんか全然なくても画像がなくても、自分が文章から作るイメージのほうが、実物よりさらにおいしそうだったりして、実際食べたら、それほどでもなかったことがあります。
これをいつか、時間が経ってから読んだら実際よりもっとおいしそうに思い浮かべることが出来ないかなあ、なんて思ってます。
これをいつか、時間が経ってから読んだら実際よりもっとおいしそうに思い浮かべることが出来ないかなあ、なんて思ってます。
すてきなお誕生日の食事会でしたね
電車に乗らないでもいける場所に美味しいお店
言う事ないですね
我が家も、小学校になったらお店に連れて行ってましたが
オードブルとスープ、パン食べたらお腹が一杯で
メインの頃は嬉しそうでない事が多かったですね
デザートになったら別腹で喜んでいましたけどね
これだけ詳しく記録していたら、写真なんて必要ないですね