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振袖の思い出

この間の成人式には、たくさんの新成人たちが歩いているのを見た。

私が20歳の時には、大体その数年前から自分はもうオトナなのだと思っていた。美術館で中学生料金でおつりをよこされたときは憤慨したものだ(もちろん券は大人用と取り換えた)。

でも、今…新成人の群れを見ると、若い…。っていうか、幼い。かわいいのだ。
なるほどなあ。当時はなぜ、もうこんな年なのに、と思ったものだが、中年極めてくる年齢になると、こういう風に見えるんだなあ。子ども扱いになるわけだよ、20歳が。

九州の友達の家の近所では、「コスチューム」としか呼べないような謎の衣装を着た子たちが群れ集まって騒いでえらいことになるそうだし(友達の家のお子さんは、普通のスーツを着て、そういう大騒ぎには参加しなかったそうだが)、新聞で取りざたされる騒ぎも、やはりそういう「子供っぽい」新成人が起こす事件を「今どきの20歳は」と取り上げる。

だが…。実際、20年以上前、私が新成人だったころも、そういう子たちはいた。ただし、いろいろと周りがうるさかったので、そういう事件を起こしそうな子供たちはみんな、「友達どうしで集まって、パーティ」とかやって、自治体の成人式になんか、出なかった、ということなのだと思う。

 誰が、わざわざ退屈な市長さんの話とか、全然知らない来賓とかの話を聞きたい?芸能人を呼ぶ自治体もあるというが、そんな予算があるとか、その町出身で、という縁があってきてくれる芸能人がいるなんて、どこにでもあるわけじゃない。

…というわけで、私は振袖は着たが、友達との集まりに出て、自治体の成人式には出なかった。
友達も、同じ年齢の子たちはスーツや、振袖やドレスを着て、年齢が違う友達から、「かわいい、すてき」とほめてもらって過ごしたのである。

本当は、私は着物なんか、いらなかった。振袖というものは、びっくりするぐらい高いのだ。それなら、私はちゃんと仕立てたスーツがほしかった。私はその年、就職する予定があったからね…。だが、家のそばには、呉服屋さんにおつとめだか、呉服屋さんの奥さんだか…という人が一人住んでいた。このおばちゃんが、すごかった。

わたしには姉がいて、姉は大変オーソドックスな行動を選び、地元の成人式に出る予定があった。そして親は「ほかの人に負けないような」…というか「人並み」ということにすごく気を使って、振袖を買ってやるつもりがあったわけだ。この呉服屋のおばちゃんは、「まこちゃんのも、うちで買ってくれるなら、安くしておくよ」というような話を使って親にずいぶん豪華な振袖を買わせた。

 昔ながらの伝統柄で、帯まで入れたら、200万でも足りなかったというようなもので、姉にはとてもよく似合った。昔のお姫様というのはこういう感じだったんじゃ…というような。これは親がためておいた分に、祖母がだいぶ、出してくれたらしい。
姉はこの振袖を友達の結婚式があるたびに着たから、それはそれで、元が取れたのだとか。

 母は、私にこの振袖を着せて節約したかったらしいのだけれど、いやー、こんなに似合わないとは…と、絶句するほど似合わなかった。誰もはっきりとは言わなかったが、猿回しのサルみたいだった。

 そこで、呉服屋のおばちゃん、登場である。「お姉ちゃんの時に勉強させてもらったのは、まこちゃんの時があるから」とたたみかけて、親を説得して、私は自分の振袖を買うことになったのである。本当はスーツがほしい…という要望は控えめには出してみたのだが、こんな時に着なかったら一生着ないのだから、と話は進んでしまった。

 普段着物を着ないものだから、家に似合いそうな反物を持ってきてくれる…なんていう昔風の話があるわけもなく、私はその呉服屋さんの倉庫?みたいな場所に案内された。

 小さめの体育館ぐらいはあろうかという、そこに仕立て前の、振袖が20センチぐらいに重ねられたのが、通路を残してびっしり。
 「さ、まこちゃん、気に入ったのを取ってきて」…ったってどうしろと??

 うげえ。一番上に載っているのを見るだけでもおなか一杯だ。

 しょうがない、これはもう…どうにかするしかないのだ。

 まず、赤はダメ。ピンクは、なんか、ヤだ。
 でもなあ…。黒はちょっと、おばちゃんが着ている留袖みたいだなあ。

当時の私が気に入って着ていたワンピースや、コートは、茶色、グリーン、青。特に、織物の段階で柄になっているチェックが好きだった。ウールのチェックのワンピース、ツイードのコート。ともかく「柄物」はなかった。ユリの花柄とか、ヒマワリの花柄とか、流行った年もあったように思うが、私はそういう柄の入った洋服をまず、着なかった。

…でも着物というのは――特に振袖というものは、柄ものばっかりだ。私の好きなチェック=縞も、着物にあることはあるが、それはつまり普段着にするようなものであって、未婚女性の第一級礼装=王様の前へ出ようと問題ない格好なのであるから、基本きらびやかで派手。そうだよねえ…。王室の人が着ている、ローブデコルテだっけ。長い、夜の正装用ドレス。あれに匹敵する和装なんだから、地味なわけないよ…。

なーんて思いながら、そーっと見て回る。花鳥風月。そういう言葉が思い浮かぶ。花、植物、鳥、景色?打ち出の小づちや、御所車などが、着物の柄としてありがちなものであることは、姉の振袖で見ていたからしっていた。花も、ヒマワリなんていうのはなくて、木の花が結構多い。

 刺繍や、金銀キラキラのものが、高いのは想像がついた。刺繍をしたことがある人なら、あの手間のかかりようはわかるだろう。刺繍が入ったものは多分、予算オーバー。というわけで、私が見て回ったのはどれも「描いて」あるものだった。
 掛け軸の絵みたいだ…。どれも、きれいだった。

 ウグイスみたいな鳥の緑っぽいの。抹茶ラテ(当時はそんな飲み物なかったけど)の色をもうちょっと黄緑っぽくしたような。
 カワセミの羽の色の濃淡。 これもいいな…。これも鳥の柄だった。
あ、茶色。これは木の枝に鳥が…ってねえ、鳥ばっかり?白銀から、茶色のグラデーションだった。こんな風に色が移り変わっていくパターンを初めて見た。

とりあえず、地味なグリーン、ターコイズ、茶色、と3枚手に持って、おばちゃんのところへ戻った。
 どれも、「うーん…」といわれてしまう。

「おばちゃん、まこちゃんが好きな感じがわかった気がするわ、おばちゃんが持ってくるのも、あててみてくれる?」
…とおばちゃんはそこらをうろうろして、もう何枚か振袖を持ってきた。

 クリーム色、薄紫、朝顔みたいな群青色のグラデーション、薄いピンク。

鏡の前で軽く羽織ってみる。ピンクを着たとき、そこで見ていた祖母、おばちゃん、母、そして、私も、「あ…」ってなった。その1枚だけが、違和感がない。似合うってことだ。

ピンク…青みがかったちょっと何色とも言い難い色で、私のボキャブラリにはその色を表す言葉はなかった。でも、確かにこの色だった。古典柄の、紅白の振袖を着たときは、サルとしか言いようがなかったのに、着物を着た娘さんにちゃんと見えるではないか!3割増しに美人に見えた。

 今まで、どんなかわいい服を着ても「似合わないわねえ…」とため息をつかれてきた身としては、似合う服があるということ自体、うれしい驚きだった。似合う服を着ると、かわいく見えるって本当だったんだ…。と私はその時、人生で初めて実感したのだった。

 スーツがほしい、と言っていたのをすっかり忘れて、私はその着物を買ってもらった。帯は、祖母が選んだ…ら、呉服屋のおばちゃんが、「その帯だと、その値段では無理です」と言ったぐらい高い帯だったのだが、祖母は譲らず、結局結構高くついたらしい。

 友達との集まりに出て、地域の成人式に出ないというのには相当文句を言われたが、同じ見せるのなら、仲良しのお友達に見せたかった。

 「おう、胸がないほうが着物が似合うっていうけど、本当だな!」とか、「ちゃんと女に見える!」とかひどいことをいう友達もいたが、まあ、普段はジーンズにTシャツしか着ていなかったのだから無理もない。
 袖が邪魔なのに困りながらランチを食べ、午後3時ぐらいにはもう疲れて、このまま電車で帰るのは大変だろうから、と友達が車で家まで送ってくれた。

 わかったことは、振袖というのは、外を歩くときは腕がとても寒い服だということ。(たもとは長いのだが、たもとの口が広く開いているので風が入る)それから、これは姉のおさがりだったのだけれど、ふわふわした肩掛け。あれは見かけはふわふわしてあったかそうだけれども全然あったかくないこと。トイレに行くときは(私は紐を持って行ってたすきをかけたけれど)かなり大変なものだということ。

 多分…第一級礼装をすることになる時があるとしたら、ドレスのほうが取り回しが楽だな…と思ったのを覚えている。

この振袖は結局、結婚式に2回ぐらい(振袖で、とわざわざ頼まれた)着ていき、なおかつ2つ年下の従妹が貸してほしいというので成人式に貸したり、従妹が結婚式に呼ばれたときに着たりして、十分活躍したあと、私の手元にまだある。

 袖を切れるように、柄が作ってあったらしいのだが、正直着物を着る生活をしていないので、服にでも作り変えるかなあ…と思ってはや何年。

 あんなに豪華なのに、似合うとわかる服を着たのは、最初で最後。

「ちゃんとした」服(=高い服)を着ると、どうにも気後れがするのだが、あの振袖だけは、文字通り、桁違いに高かったのに、大丈夫だったのは、とてもいい体験だったと思う。

 私みたいな体験をした、新成人はいたのだろうか。みんな、着物がかわいかった。

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コメント

そう言えば・・・この前、着物を着ている女性を見て、あっ!成人の日かぁ~と。
着物って良いもんだなぁ~と。

胸云々書いてありますけど、呉服屋さんも言ってたけど、背が低くて胸が小さい方が似合うと。
段々と欧米化していますけど、元々日本人は背が低くて、胸が小さいのですから、それに合わせているのでしょうし。
でも似合わないより似合った方が良い。大きければ良いってもんでもねーし。

こんばんは

成人式に着る振袖ですか。
女性だけのやつだからねぇ。
男としては関係する事がないって感じちゃいますね。
だから、今のあの騒動はけっこう女性の人が被害をこうむったって感じだろうねぇ~。

鬼瓦権蔵さんへ

着物って、着るのに手間がかかるのと、洋服と全く形が違うために、洋服に慣れている状態で、体を動かすと、着崩れるんですよね。あと、一枚一枚が割と高くて着物で生活すると結構、お金がかかるそうです。
とはいっても、魅力があるのも確かで。
 こんな時に1回、着ておくのはいいことだと思います。、

よしおさんへ

あの事件は、かわいそうでしたよね。買って、預けてあった振袖もあったとか。預けた着物が返ってくるといいんですけど…。

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    まこ

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