ペパーミントキャンディ
つまり、よくクリスマスの絵に出てくる杖の形のキャンディは、大体がペパーミントキャンディということになる。
この味が昔からポピュラーなのは、特に育てやすく手に入りやすかったのが、ペパーミントだったからということらしい。ミント類はよく育つからね…。ガーデニングをする人には「テロ」と言われるぐらい、少量から増えるし、増えたら切ろうが抜こうが、いつのまにかまた生えて、始末が難しいのだとか。人工香料がなかった時代には、一番安く手に入るのがこれ。ペパーミントでないなら、甘草=リコリス、シナモン、アニス、キャラウェイなんかの、スパイス味がその次ぐらいに古い。
こういうキャンディは、味は日本のものと変わりがない。まあ、リコリスは好みがあるものの、日本のだって、そういう古い飴は、香料なしのべっこう飴、ごま入り、梅干し飴、黒砂糖の黒飴、それから、ニッキ飴、はっか飴…と想像がつく味。昔っぽい飴というか、おばあちゃんちで出たような…というか。
作る仕組みがいっしょなんだから、そりゃどこの国でも同じ味になろうというもので、こういう「古くから変わらない」ものは、私がアメリカで食べても、おいしいと思える。
私が気に入って食べているキャラメル、Cow Talesは、1917年に開発されたそうだし、私が気に入って食べているグミキャンディのメーカーは1920年創業だそうだから、そのあたりの時代の味は大丈夫なんだと思う。
話は戻って…。何年か前に、渡米したとき、レストランのレジで、お店を出るときに、どうぞ、と勧められて口にしたペパーミントキャンディがあった。カリカリしていて、噛んで食べてしまえるようなキャンディで、軽い食べ心地、きつすぎないミント味、ふんわりとした甘さで、かなり気に入ったのだけれど、そこで1つもらって食べただけなので、袋が残っていない。そのレストランは、旅行先だったので、一度きりしか行かなかった。
正体不明のミントキャンディになってしまって、探せなかった。いくつか、試してみたのだけれど、どれも赤白の縞模様だけは同じだけれど固いキャンディ。まずくはないけど、ただのペパーミントキャンディだったので、あきらめていたら、今日、一度、入ってみようか、いつもガラガラで、いったことないね、というスーパーに、それっぽいキャンディが置いてあった。
普段、あんまりみない袋。でも確か、こういうボールみたいな形だったような気がする…と思ったので、買ってみたら大当たり!
正体は、「Bob's sweet stripes」というキャンディだった。ちなみに開発はやっぱり1919年だそう。おいしいと思うキャンディって、つまり、昔のばっかりってことだよね…。袋に「Soft Peppermint Candy」と書いてあるから、ソフトなのがやっぱり売りなんだね。
クリスマスには、棒の形のキャンディも売るらしい。うわー。いいなあ。かじりたかった…。
口の中で結構早く消えてしまうのが、いい。今、食べながらこれを書いているのだけれど、こういうお菓子、日本でも食べたような気がする。あれだ、はっかの味で、ええと、はっか板?いや、それは豆か。はっか糖だ。あれに似てる。
うん…はっか味がちょっと薄めのペパーミント味になっただけで、多分、かなり同じかも。クリーミィな感じがするのに、カリカリで、ええと…ええと、はっか味じゃないのもあった。ピンク、黄色、薄い緑色…バナナ味の、「フローレット」だ。あれとも似ている。あれはどうやって作っているのかさっぱりわからないけど…と思ったら、思い出した。
【くまのプーさんの料理読本】っていうのが、昔あって、私はそれを図書館で借りたのだけれど、その中の「ペパーミントのお菓子」みたいな(うろおぼえ)のがこういう味だった気が…。当時はおいしくない…と思ったけれど、多分、うまく作ったときの完成形、または「ねらい」はこのあたりだったんだろう。
日本にかえったら、もう食べないかもしれないけど、時々懐かしくなりそう。
フローレットって、最後に食べたの、多分30年以上前だよ。よく覚えていたなあ、私(*^m^)o。
ミントのアイスクリームは嫌いなのに、このキャンディは、いいんだよねえ…。ミントっぽく、甘く…ちょっとだけクリーミィで(クリーム入ってないけど)、どうしてこれだけは、好きなのか謎。ミントが、すーすーして困るほど、入っていないのがいいんだろうか。カルミンとどっこいどっこいぐらいか、ちょっとカルミンより甘いぐらいだものね。最近の「ミント感重視」のミントキャンディより、刺激が少ないのがいいのか。
ま、いいや。アメリカで好きと思えるキャンディは貴重だ。
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これをここまで書いちゃってから、いろいろ調べたら、どうも、この種類のキャンディは、Buttermintと呼ばれるものが多いみたい。口どけをよくするためにバターが入っている製法のものがあるのだね。バター風味があるとかないとかは、レビューを見ているといろいろだけれど、レストランで、配られることが多いらしい。「Thank you mint」とか呼ばれていたり、「After dinner mint」と呼ばれることもあるようだ。Hospitality mintという呼び名はつまり、「お店でタダでくれるミント」だと理解すればいいらしい。
別名として、mint puffとも。
すっごいめずらしいのかと思ったら、呼び名がわかっていないだけだったのかー。って感じ。