LuckyDuckyDiary

全然知らないことを。

【日本の弓術】という本を読んだ。

これは、ドイツ人が書いた本で、戦前に日本へやってきて、弓道を教わった人が、なんとかそれをドイツの人にわかるようにならないだろうか、というので文章に書いて講演した…という時の文章を日本語に直したものらしかった。

大体「なんとか道」というものの精神性というのは、なかなか文章にはならないものだと思う。柔道、剣道なんかの格闘技系もそうだし、華道、書道、茶道なんていうのもあるし…でもこういうのは、「やったことがあるひとはわかるし、やったことがない人はわからない」ものなのだと私は思っている。

心を落ち着けて、息を整えて、みたいな指導が入ることも当たり前にあるし、この本の弓道の先生なんか、「的に当てようとするな」といって教えるのだから、この本の著者が混乱したのも無理のないことだと思う。

それに、私だって知りたかった。「的に当てない、弓の修行」ってどんなものなの?と思ったわけだった。

一応、「弓道部」なんていうのはみたことがあったし、いとこが弓道部に入っているという話なら昔聞いたことがあったから、あの背の高い弓を持って電車に乗ってる子たちが弓道部の子だということぐらいはわかっていたけれど、ほとんど情報なしで読み始めた。

読んで、よくぞこんなもの文章に書こうと思ったなあ、と感心。
この著者、五段のお免状を先生にもらっているのだけれど、6年かかっている。そりゃ、こんなもの全く見当がつかない所からはじめて、よくぞそんなところまでたどりついたわ、と称賛したい気持ちでいっぱいだ。
私がもし、弓道をやったとして、こんなことがわかるようになるだろうかと思ったら無理感がある。

この文章を読むと、どこかに…絶対どこかに「何か」が。神秘的な何かがあることがうかがわれる。
目に見えず、手につかめず、説明もできない何かが、そしてそれをどうにかしてつかんで自分のものにして体験しないと到達しえない所があることが、うっすらだけれど見える。すごく興味深かった。そして、ちょっとだけ遠くが見えた、そんな気がした。

ふと友達に、弓道の体験がある人があったな、と思ってちょっとメッセージを送ってみた。
「真っ暗な中で、線香を的の下につけておいて、そこを狙って的に当てられるとか、矢を1本的に当てておいて、その矢と同じ場所に当てて矢を割くとかできるの?」と。

友達の答えはこうだった。
「まず、真っ暗な中で撃つのは、とても危ないのでやりません」
なるほど…。

「あと、先に撃った矢に当てちゃうのは「継矢」というのですが、それは別に難しくはないです。でも、それは別にいいことでもなんでもなくて、矢が壊れてしまうので、「あっちゃ…やっちゃったよ」という感じのことです」

えー。それはびっくり。よく小説とかで、矢の腕を見せるのにやる人がいて、「すごいこと」「やったー、うまくいった」系のことかと思ってたら、「1本数千円する矢がだめになるので」やりたくないことだなんて、ねえ。
知らないことを人に聞くのは、本当に面白いよなあ…と思う。

だから、本をよむのはやめられない。

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    まこ

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