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LuckyDuckyDiary

続あしながおじさん 訳が違う?

 ジーン・ウェブスターの「あしながおじさん」は名作で、第二次世界大戦の前から訳された本があったのだそう。知名度が高く、90年代にはアニメの名作劇場にもなったぐらい。1冊で終わる本で、それほど分厚くはない。

 「続あしながおじさん」という題名で出ている本は、はっきりとした続編ではなく、今風に言うなら「スピンオフ」作品で、1巻目の主人公の友達だった人が主人公になる。2巻目の主人公であるサリーが、1巻目の主人公であるジュディに手紙を書くことが多いので、ジュディがどうしているかということがうっすらわかるのだが、ストーリーとしての続きではないので、実は中学生の頃ぐらいまではあんまり好きではなかった。

 本を買った時、私は中高生。サリーは社会人なので、子どもの頃は深くは共感できなかったので愛読書として集めていた「世界名作文庫」風のラインナップの中では「二軍」扱い。一人暮らしを始めたときも、家に置き去りにしていった。

 時は過ぎて大人になってから読むと、実はこの続あしながおじさん、かなり面白い。
 ただ、いつでも読めるからと思ってそのままにしていたのを、この度買おうと思ったら、ないんだな…。私が読んでいた訳は角川文庫だったのはわかったのだが、現在角川文庫では絶版のよう。
 新潮版は新訳が出ていて、古いほうも割とネットの古本市場に出ていたが角川文庫はなぜか払底していて、めちゃくちゃ古い、昭和30年代のものが1000円ぐらいする始末。

 しょうがないので図書館で岩波少年文庫の古い遠藤寿子さん訳、新潮の旧訳の松本恵子さん訳、それから角川の村岡花子/町田日出子さん訳を借りてきて読み比べてみた。多分このうちのどれかのはず。
 なのに、どれも違う気がする…。角川の訳はすごく近い気がするが、いろいろなところが違う。ドクターを「がんこ先生」と呼ぶのだが、私が昔読んだ訳では「頑固一徹様」と呼んでいたはずだ。

 図書館の角川文庫は平成2年の本で、表紙が世界名作劇場のアニメ絵。
 これは多分、あしながおじさんがアニメになった時に、ばーーっと売れたから刷ったのだろう。
 私が読んでいたのはこの1990年版より前なので、この版ではないはずだ。
 1990年(=平成2年)版の奥付は

  昭和三十四年十一月十日初版発行
  平成二年四月十五日 三十六版発行

こうなっている。…この表記から行くと、一度も版が変わっていないみたいに見えるんだけど、じゃあ、私が読んだ訳はどこのだったんだろう?読む回数が少なかったからどれかと混ざっているのかなあ…と思って、いろいろ探してみたけれど、どうもはっきりしない。

 実家に問い合わせたら、色褪せた文庫本がまだ残っているということだったので、取りに行った。
 コロナのこともあるので、あんまり長時間顔を合わせないようにして、動作がよくないというPCを引き取り、お土産などを渡して、本をもらって帰ってきた。

 帰ってきて読んでみたら、やっぱり違う。1行あたりの文字数も、1ページ当たりの行数も私の持っていた本のほうが多い。
 そして昭和五十八年 十月三十日 三十五版、つまり一回分、古かった。
 1版分進むのに7年かかっている計算だ。案外長い。
 
 ドクターへの手紙のあて名は古いほうの版は「頑固一徹様」だったし、漢字の送り仮名がちょっと違ったり、新しい版では漢字じゃなくてひらがなになっていたり。
 訳も似ているようで少しずつ「今風」に改訳されているのが読み比べるとよくわかった。

 多分アニメ化と同時に新訳と書くほどではなくても、改訳したんだろうな。しかしそういうことは奥付に書いておいてくれればいいのにねえ。

 表紙をめくったところに、頭文字と番号が書いてある。「M21」だって。私の名作文庫の21番ということだったのだろう。なんだかちょっとこっぱずかしいなこれ。
 そして一番最後のページに走り書きっぽいローマ字のサインと、小口に消しゴムハンコのイニシャルが。
 うわー。なんかこう、昔の作文とか日記帳が出てきたみたいな「ぎゃー」な感じ。

 でも21冊もあったんだっけ?多分この本は大分後の方の番号だと思うけど。結局お気に入りは持ち歩くうちに散逸して、二軍の本が残っているのは皮肉だ。この本は、今私の部屋にある本の中で一番古い本かもしれない。

 懐かしい本。特に手に入りにくい本が残っていたのはよかった。ほかのは古本屋さんで案外廉価に買えるのも多い。

 ふと思い出した。確か、「あしながおじさん」が角川文庫だったので、続編も角川がいいと思ったら、自転車でいける範囲の本屋さんには新潮文庫しかなかったので、電車にのって大型書店まで行って、親に呆れられたっけ。行っといてよかった、当時の自分GJ!

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コメント

ここのところのまこさんの子どもの頃から読み込んだ本のお話。これ、すごく面白い。ブログに書いたままどんどん日付が後ろになって、誰かの目に留まらなくなるのがとっても惜しい気がします。どこかの大学の文学部の講義になっていたら楽しいだろうなあ・・・原文といろいろな人や時代の翻訳の違いを見ていくのって、国文も英文をやっている人も、どちらも興味あると思います。(今は国文学科や英文学科って無い?らしいけど)
もったいないなあ。
みんなに知らせたいくらい。

こんにちは~。

あしながおじさんの文庫版は正続とも持っていて、繰り返し読んだはずだけど、どなたの訳だったかはさっぱり。

代わりに思い出したのは、挿絵のことばかりでした。ジュディやサリーがお手紙に描いたていで挿し込まれているイラストがかわいくて、真似して描いてみたりしたけど、あれって絵心があると描けない絵なんですよね。

ジュディのバスケットボールの絵とか、サリーの孤児院の子供たちの絵とか、今でも思い出します。

momonokehimeさんへ

最近は英文学科とか国文学科ってないんですか?それはまた…ちなみに私はそういう学科だったんですよ(笑)。確かにねえ…仕事でこれが役立つことは先生にでもならない限りないですね的な学科ですが。
 momonokehimeさんもいかがですか。図書館で本を借りて読み比べたらすごく面白いですよ。

ぢょんでんばあさんへ

あの絵は作者が書いているんですよね。だからどの訳を読んだ人も絵が共通ってとこがいいです。そうそう、「模範的孤児」の絵とか、選挙に勝って「サリーマクブライド万歳」のバナーの絵とか、覚えてます。足がひょろ長い仔牛の絵とか、「私が釣った唯一の魚です」と書いた亀の絵とかね!
 時々読むと本当に楽しい本だと思います。

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    まこ

    Author:まこ
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