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LuckyDuckyDiary

「小公女」 川端康成/野上彰 共訳

 

小学校5年生ぐらいの頃だったか…。この本は100円で、住んでいた小さな町の、古本屋さんにあった。コンクリートの打ちっぱなしの、トタン屋根の倉庫みたいな場所に、本棚がずらっと並んでいる部分が古本部門。お店の人が座っているのが、もっと普通のお店っぽい古道具部門。田舎の町の、もとはもっとにぎやかだった…という、電車の線路から離れた場所に、酒蔵と並んで立っていたお店だった。

 板チョコ1枚100円ぐらいはしたし、自販機のジュースが1本100円、そういう頃のことで、ひと月に使える小遣いが400円ぐらい。古本屋さんで床の上の段ボールに放り込まれた20円、30円、50円の文庫本を買うのは私の楽しみだった。

 100円もする本というのは相当高いほうで、さすが100円、カバーはついていた。故に今もカバーに覚えがある。
これが多分私が「自分の名作全集を自分で揃えたい」と思った1冊目の本だった。模造紙でカバーを作って、スタンプで柄をつけて、背表紙の部分には題名を書き、てっぺんには消しゴムのスタンプで番号が押されていた。「1」がこれ、というわけだ。
 ほかの本がどの順番だったか、さっぱり覚えていないが、これが「1」だったのは覚えている、そんな本。

 これは英語でもかなり易しいほうに入るので、英語が読めるようになってからは日本語版をもっていなかったのだが、日本語の本を取っておきたいなあ、と思うようになって、探したら同じ本は絶版。



 それどころか、この本、古本でも1000円以上するんだ、なぜだ、ほんとに。
 ネットを見て歩いていると、どうもこの訳について、言及した有名な人があるっぽい?(しかも最近)。
 同じ川端康成/野上彰訳の「小公子」は安いのに…と思ったら、「小公子」は出版年月日が今年の7月?めちゃくちゃ新しいんだけど!つまり、小公子の方は再版したってことだね。

 いろいろ迷っている1か月のうちに、アマゾンのこの本の値段はずんずん上がり、ついに1800円に。おおぅ。みんな手回しのいいことで。去年買ったら360円だったろうになあ。ちぇ…。
 図書館で借りた。文庫本なのにこれは残っていたということは、訳者が違うものを意図的に残しているのだろう。やっぱりこれだな、という慣れた感じがしたので、私が読んだ訳はこれで決定なんだけど…。けど、そんなのに限って、突然ないのはなぜだ。村岡花子さん訳でもいいようなものだけれど。

 ちなみに、伊藤整さん訳の新潮文庫も出回っていたのだが、セーラの名前が「サアラ」になっていたのが違和感があって(ちなみに英語の発音はカタカナで書くとしたら「セアラ」となるはず)買わなかった。私が子どもの時に読んだ抄訳版が「セーラ」だったからだろうなあ。どういう名前になっているのを最初に読むか、ってことだね。「セイラ」「サァラ」「セアラ」「セーラ」あたりのバリエーションがあるようだけれどもアニメも「小公女セーラ」だったし、「セーラ」になじみがある人のほうが多いと思う。
 難しいところだよねえ…。正確に訳すより、ポピュラーな方を採用するほうがウケるわけだから。そう考えると1作目を訳する人の責任重大だ。
 

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    まこ

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