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LuckyDuckyDiary

アルプスの少女ハイジ祭り

 若草物語を選んで、2、3種類読んだあと、こういう少女小説のことを書いたムック本を図書館で借りた。
 いろいろ載っていたが、ふと、アルプスの少女ハイジが読みたくなった。

 あれはアニメもいいんだよねえ…。私が小学生の頃、夏休みに再放送をしていたり、日曜日じゃない日の夕方に再放送があったりで、何度か見た覚えがある。テレビを見すぎるとうるさかった母も、ハイジのアニメは好きだったのでこれにはあんまり文句が出なかったし、田舎の放送局はコンテンツが少ないから、再放送が多かった。

 次の回で外に出て猫ひろってくるんだよね、とか、次の回でクララが立つんだよ、とかもう大体覚えるぐらい見た。うちの母はこのアニメの影響でスイスの山の上の花畑をわざわざ見に行ったぐらいだ。

 図書館の本棚にあったやつをひっつかんで帰ってきた。
 まずは偕成社文庫の若松宣子さん訳。表紙絵がかわいい。このイラストレーターは「詩とメルヘン」(やなせたかしさんが責任編集していた雑誌)でデビューした人だった。

 スラっと読めて、問題なしの訳だった。前にもっと古い感じの訳で読んだと思ったけど、どれだったかなあ。角川文庫のは調べてみると 関 泰祐さんと阿部 賀隆さんの共訳らしい。中学生から20代まで持っていたので一番回数を読んだのはこれだろう。
 「と思うの」が「ともうの」みたいに書かれている訳のがあった気がするけど、あれは誰のだったんだろう…。

 岩波少年文庫の昔のは竹山道雄さん訳。多分これ…かなあ。
 今の岩波少年文庫は上田 真而子さんで、この人はエンデのシリーズを訳している人だよね、定評がある。
 あとは学校にあった福音館名作全集の矢川澄子さん訳。学校だけでなく、これのない図書館は見たことないから、多分この市の図書館にもあるだろう。

 岩波文庫は 野上 弥生子さんで、日本の訳で古いのは大体これだそう。そこまでは古くない気が…
 新潮文庫は植田 敏郎さんで、確かこの人はケストナーとかを訳していた。私が子どもだった頃によく見た訳者さんだ。

 んー。電子版は岩波少年の上田さんの訳と、偕成社の若松さん訳か…。
 まずは読むか。この際だから、と図書館に予約をして、棚になかった岩波の古いのと福音館のハードカバーを借りることにした。
 
++++++++++図書館で本を借りた後+++++++++

 福音館のはすぐ届いたが、岩波少年の古いのは市内の分館からよこすらしくて時間がかかりそうだ。
 福音館のハードカバーはさすがに「完訳」といっているだけのことはある。どれも二言三言、ちょっと詳しい。

 ただ、おじいさんのことを「おじい」、ペーターのおばあさんは「おばあ」とちょっとほかの本にありがちな訳(「おんじ」と「おばあさん」)にずれがあったので、慣れるまで微妙?まあこんなもの好みだしねえ。

偕成社のジュニア向け文庫の古い版の国松孝二さん訳も図書館の棚にあったので借りてきた。「おんじ」「おばあさん」で従来ありがちな訳だったが、ロッテンマイヤーさんではなく「ロッテンマイエルさん」だった。あとはお祈りの文言が口語調、それもちょっと砕けた感じでお祈りっぽくないのが特徴だと思う。

何種類か見比べると、どこにバリエーションが出るのか大体わかってきた。

 人名がいろいろと違うところが多い。しかしアニメでは「おんじ」だったんだけど、実際初めて日本語にこう訳した人はどこの言葉をもってきたんだろう。きっと日本のどこかに、古い言い方か、今でもそうするかはわからないがおじさんを「おんじ」と呼ぶ地方があるのだろうけれど。

 何度も同じ話を繰り返して読む。訳は全部違うけれども脳みそで繰り広げられるシーンは大体同じになるから、大分おなか一杯に…。でも訳を比べようと思ったら、時間を置かず読まないとスパっと忘れるからなあ。

 次の日予約の準備が出来たので借りに行ったのが、岩波少年文庫の2003年ぐらいまではこれだったという竹山道雄さん訳。
 なじみがある訳だった。文庫本で手に入れるまではこれを読んでいたのだと思う。
 「アルムおじさん」「おばあさん」「やぎ飼いのペーター」「ロッテンマイア」「セバスチャン」。

 おじいさんは「おんじ」ではないし、ロッテンマイヤーさんではないが、ロッテンマイエルさんよりは違和感少な目?

 懐かしい訳だったのでなんとか読み通せた。
 最初に村の女性とデーテが出会って、ハイジのおじいさんの噂をするのだけれども、「ジプシーか、インディアンじいさんのよう」だとか、「異教徒のようだ」という訳は古いものが多い感じ(偕成社の古いのとか)。岩波の古い訳では「おいぼれたどろぼうのよう」と書かれているが、福音館訳ではこのあたりすぱっと飛んでいて、インドもジプシーも出てこない。
 この物語が書かれた1880年にはジプシーとかインディアンというのは遠くにいる得体のしれない非文化的な人だと思われていた時代だったから、こうなっているのだろう。
 でも今となってはそのあたりはまず差別的だし失礼だしこういう呼び方はどっちにしろしないしで、全体的に問題がない訳にすることになっているとみた。
 
 図書館で今の岩波少年の上田真而子さん訳を借りようと思ったら、図書館のシステムが古いほうの竹山さんの訳を同じ本だと判別してしまってはねられる。うーむ。下巻は借りられて上巻が借りられないというのはどうなっているのだかわからないが、しょうがない、今持っている本を返してから借りるしかないだろう。

++++++++返してから、借りられた後++++++++++
 うーん。上田真而子さん訳は結構意訳?文章が滑らかにつながっているのはいいけれども、私たちがわかりやすいようにちょっとこう…文章のつながり方とか出し方がほかの訳と違う気がする。
 
 もちろん読んで伝わることが変わるかと言われるとそういうことはないのだけれども。
 「アルムじいさん」「ロッテンマイアー」「ゼバスチャン」ときて、このあたりはありがちだけれど、ハイジがおじいさんを「おじいちゃん」、ペーターのおばあさんを「おばあちゃん」と読んでいるのがちょっと珍しい。
 
 上巻の終わりが、ハイジが山から帰ってきて一週目の日曜日まで…というのがこの本が書かれたときの上下巻の切りなのだけれども、岩波は新旧両方とも帰ってきて眠るところまでで切れていて、下巻に一部が回されている。ハイジが眠った後のおじいさんがどうするかという場面が結構重要なんだけど、その重要な場面がさくっとないのが上巻のしめくくりがなくなったようで残念。

 あと、フランクフルトから帰ってくるハイジに、事情を説明した手紙と「厚い封筒」が手渡されている(お金が入っている)ということは、どの本にも書いてあったけれど、この新版の岩波少年の訳に限って厚みのある封筒ではなく「丸い筒」が渡されていることになっている。うーん。昔は筒にお金を入れて渡す習慣があったとか??

 時々こういう謎が起こるのが翻訳ものなんだよねえ。英語だと最近は私も原文にあたってみることが出来るようになったけれど、ハイジの原文はドイツ語だからなあ。ドイツでそういう封が出来る紙を入れるものは全部同じ呼び方だったりとか、全く違うお金をいれるという目的のためのものがあるが日本語にはそれに当てはまる言葉がないとかというケースの場合は私には全くわからないだろう。 「金封」と「奉書包み」なんて区別が今の日本人にそうそうつくわけがないのと同じ理屈で、ドイツ語がよーくわかる人にしかわからない何かが途中で飛んでいるのであろう、うん。

 自分の母国語で書かれていることを読むとき、こういうことが起きたらすっ飛ばして平気なのにね。母国語でわからない場合は自分の不勉強で語彙力不足のせいだとわかりやすいから、かなあ。

 これで手に入りやすそうな訳はずいぶん読んだ感じがする。
 
 …とここまで読んだところで、目についた青い鳥文庫の池田香代子さん訳も借りてみた。
 これは抄訳ということになっているらしいが、雰囲気がいい。

 お祈りするときの文言がある程度普通のしゃべり言葉と違うように訳されているし、わかりにくい言葉が使われていない。「二人のロッテ」とかもそうだったけど、ドイツ語の子ども向けで「改訳」になった、というときによく見かける名前だ。
 
 さらっと読めて、雰囲気がいい。もう一回岩波と読み比べてみたけど、細かいところがちょいちょい抜けるのを除いてはアニメ版に慣れ親しんだ人が来るのにも一番いい訳だと思う。

…と思ってネットを調べたら多分本訳者さんご本人のブログが出てきて、ハイジのアニメをすごくほめていらした。
 なるほど、アニメ版もお好きのようだ。

 そりゃ、こうなるわな。
 私もアニメ版から入っちゃったので、この人の訳が好みになるのはもうしょうがない。

 自分的決定版の訳は池田香代子さん訳、となった。うーん、電子版がほしい。
 
 

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    まこ

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