FC2ブログ

毎日更新!LuckyDuckyDiary

いらっしゃいませ。毎朝6時には更新します。さっくり読んでいってください。コメントくださった方はリンクさせてください、相互リンク歓迎、リンクがダメな方は連絡お願いします。

「ばら色島の少年たち」 ヴィルドラック作

【ばらいろ島の記事を書いた日】からしばらくたって、私は思い切って本を1冊、インターネット上の古本屋さんで手に入れた。
 

講談社の少年少女世界文学全集21巻フランス現代編。
 収録されているのは「シミトラの孤児」「ばらいろ島の少年たち」「グリシュカとくま」の3編。

 監修者のてっぺんに川端康成。浜田廣介は確か童話作家で「泣いた赤鬼」とかを書いた人じゃなかったっけ。
 そしてイギリスの児童文学作家のエリナー・ファージョンや、12の月の物語で有名なロシアの作家マルシャークの名前まで。ファージョンは大好きなので、「おっ」ってなった。
 
 ちなみに送料込みで950円で手に入れた。
 チフェルナン君のその後の運命が知りたいために1000円出したことになる。500円で済めばもっとよかったとは思うけど、図書館にもこの物語が載っている本はなかったのでしょうがない。

 ちなみに「シミトラの孤児」は2008年の名作アニメ劇場「ポルフィのながい旅」の原作なのだとか。全然読んだことがなかったので初めて知ったが、シミトラの孤児のほうがよく情報が出てくるのはそのためらしい。

 前編の「ばら色島」で、パリでお金持ちの島のオーナーに見初められて子どもの楽園である島で暮らしていたチフェルナン君の運命や如何に、と思って読み始めた。
 軽くネタバレしつつ、その後のストーリーの概要を書くと、結局おうちの人が幸せにしているかということが気がかりで島を完全には楽しむことが出来なかったチフェルナン君は、何と家族全員を呼び寄せてもらっていた。お父さん、お母さん、もう成人近いお兄さん、小さい妹。

 この物語の中では、小さい妹はおまけの子として遊ばせてもらっており、両親とお兄さんは島で働いていて、チフェルナン君はすっかり島になじんでいた。
 
 大変お金持ちだった島のオーナーは、お金を稼いでいた事業が傾いて、今まで通りの運営が不可能に。
 親御さんに愛されていた子供たち、とくに小さい子たちは島で暮らした年月が少ないため島を離れても大丈夫だろうということで休暇として家に帰され、そのまま島には戻らなくなり、親のない子たちと、家庭事情がよくない子と年かさの子19人が残されて事情を説明される。

 今までのように贅沢できなくなるが、漁をし、果物を育て、畑を作り、作物を売り、自給自足してお金も稼げるように頑張りましょう!ということになって、力を合わせて楽しく立ち働き、無駄を省いて節制し、元気に暮らしていく様子が語られる。嵐が来て、島は大打撃…という事件なども起こるのだが、基本的に堅実に、幸せに暮らしているところで話が終わる。

 親御さんが一緒に暮らすことになり、みんなが遊んでいるだけじゃなくて共同作業をするようになっただけで怪しさが激減したなあ。ちょっとむかしのロシアの子供向けコルホーズ礼賛ぽい小説と似ている気もするが、そういう趣味の男性が遊べる環境をエサにして甘い言葉で子どもを釣って…という感じは減り、ぐっと長期合宿というか「十五少年漂流記」ぽさが出た感じ。

 節約と言っても、朝に菓子パンが出なくて普通のパンが出たり、店買いのお菓子じゃなくて自家製ジャムになったり、豪華なボートじゃなくて漁船になったり…というような感じで、それほど深刻じゃなかったので牧歌的ムードはそのまま。
 ちょっと始まりが唐突な気がするが(前編を読んでいないとわからないだろうことがあるから)、それを除けばこっちのほうがちょっと教育的で、大人に「けしからん」と言われないと思う。楽しさもちょっと減って、夢の国らしさが減っているが、作者はわざとそのあたりを抑えて書いたのかも。

 作者は「ヴィルドラック」ではなく、「ビルドラック」という表記になっていた。これが検索に引っ掛かりにくい理由なのかもしれない。
 チフェルナン君、よかったね、家族と楽しい島に住めて。
 
 気候のいい島で、自給自足の生活をし、魚を釣り、楽しく水辺で遊び、雨の日や休憩時間にはのんびりと、いい本を読み、親しい人たちと仲睦まじく暮らす。
 物資は船で陸まで行って買ってこなくてはいけない不便さはあるものの、島をひとつ自分のものにして暮らすというのはロマンがある。
 木陰のハンモック、おいしいレモネード、そして波の音。ちょっとロビンソン・クルーソーはやりすぎだけど、自給自足にはちょっとあこがれが…という人に。その島の雰囲気が楽しい。子どもだったころなら、チフェルナン君視点だったのだろうけれど、今は島で働いている人の目線になるが、それはそれで。

 「グリシュカとくま」は、相容れない人間の文化的な農耕および狩猟生活と野生に生きていくこととの対立と、動物の高潔さを書く…というような感じの小説で、本能のままに生きつつ、崇高な動物の性質を書く、たとえばジャック・ロンドンの「野生の呼び声」とか、シートン動物記の「狼王ロボ」とかあのあたりに通じるものがある。こういう動物の小説って一時はやったのかもしれない。

 実際にクマと子供を兄弟のように育てるのが可能か不可能かはともかく(ムツゴロウさんの手記を見てもわかる通り、子熊の頃にはかわいくても、あとで狂暴になるので多分そういう生活は無理)、物語としてはさびしくなるような結末で、こうにしか書きようがないだろうけど、ハッピーエンドが好きな読者(私)にとってはしんみりする話だった。

 まあ、ハッピーエンドでなにもかもうまくいきました、ちゃんちゃん!というような物語ばっかり読ませるのもどうかと思うから、こういうのもあってもいいとは思うけど。
 
 「シミトラの孤児」は未読。あとで読むことにしよう。
 

« パセリ、セージ、ローズマリーにタイム…?|Top|オカルト注意? »

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

Top

HOME

    思ったことを何でも書くゲーマーブログ。リンクはご自由にどうぞ。

    まこ

    Author:まこ
    どこをクリックしても一銭にもならない、ただの主婦の日記帳です。
    ゲーマーで、本好きで、クラフト好きです。

    04 | 2021/05 | 06
    - - - - - - 1
    2 3 4 5 6 7 8
    9 10 11 12 13 14 15
    16 17 18 19 20 21 22
    23 24 25 26 27 28 29
    30 31 - - - - -

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    この人とブロともになる