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LuckyDuckyDiary

あったかいうどん

お友達が、離婚を考えているそうだ。かなり本気で。私より年上のそのお友達は、配偶者がそろそろ定年なのだそう。
で…定年になったらずっと家にいらっしゃるであろうけれども、それがもう、無理、と思ったのだそうだ。

仕事に定年があるのだから、主婦にも定年があってもいいと思う、と。
一食残らず料理をし、弁当をお子さんの分とあわせて毎日3つ作り、出産で入院したときのほかは食事を一度も用意しなかったことはなく、冷凍食品もお惣菜も買ったことはないという彼女の家事の腕前は大したもので、手抜き町三丁目あたりを歩いている私にはとてもじゃないけど真似は出来ない、そういう人だったのだけれども。

絶対に、「用意しなかったことがある」とか、「冷凍食品を使ったことがあるくせに」とか「惣菜で済ませたことがあるだろう」なんて言われたくないと、そういう話らしかった。たったの一度でも弱みになるからと。


それはまた…大変そうだな、と思う。冷凍食品もお弁当にいれたことがあるし、総菜だって買ったことがあるし、箱入りのグラタンソースだし、パスタのソースはレトルトだし。なんならカレーだってレトルトを昼ご飯にしたことぐらい、いくらでもある。そして私にできることと言えば、話を聞くことだけ。

大体、あんまり配偶者さんと(彼女は、夫とも、旦那とも、主人ともよばない。「同居人」と)交流がないらしい。弁当が要らない日は「明日は弁当不用」と、弁当箱に付箋が貼ってあるそうで、10年ぐらい前まではいろいろと話し合いをしようと頑張ってみたらしいのだが、彼が部屋に引きこもって出てこないという手を出すため、話しあいにはならず、もう一人だけで頑張るのはいやになって、あきらめたのだそう。

ご主人のほうの話は全く聞けていないので、あんまりどうこう言えるわけでもないけれど、結局、コミュニケーション不足というわけで、彼女に言わせると「喧嘩だっていいのよ、喧嘩になるってことは、関係があるってことだから」と。すごく仲良くなんかのぞまない、せめて喧嘩ぐらいになるほどでも、と言われるとなんとも言葉に詰まる。

私の話は、何をしようとも全部自慢みたいになることは必須、つまり喧嘩するにしろ、仲がいいにしろ、どちらも彼女には手に入らないというのが今の不満なのだから。

ごはんを作って、テーブルに出しても、もう顔を見ているだけで気分が悪くて食欲が出なくて、もう碌に食べていないらしい。それを聞きながら、「そうか、それはつらいね」と相槌を打ちながらふっと思い浮かんだことが。

あれなら、いけるんじゃないか?
実は、彼女と私は出身地が近い。
私が見つけた限りでは1軒だけ、この街で私が食べ慣れて育った味のうどんを出すお店がある。祖母の=母の、作っていた味で、そんなに珍しくはない料理で私にも家で作れるぐらいのものだけれども、でも、お店で出すのは近隣ではたぶんここだけ。
うどんなんて珍しくもなさそうなものだけれど、意外と癖があって、食べられないという味のものがまずない割には、ぴったり同じというものにもなかなか当たらないものだ。

ちなみに私はそのうどん屋へ、息子と夫も誘って行ったことはあるのだが、うどんよりは蕎麦が出る県の出身の夫には「ふつーのうどんだね」としか認識されず、息子は「カレーうどんにする」と全く関係のないカレーうどんを食べてしまったため、夫と同じような感想で、私がなぜ、そこのうどんがいいのかに関しては全く通じない話になってしまった。

「うどん、食べに行かない?」
フレンチでも、ケーキでもなく、おさそいが「うどん」。なんとなく垢抜けないが、しょうがない。
「うどん?いいけど…半分ぐらいなら食べられるかも」

うどんで半杯か。相当だなあ。
まあでも、ほとんど食事をしていない状態というのはよくない。たとえ炭水化物万歳食のうどんであろうと、おなかに何も入っていないよりましだし、卵がのっているうどんなんかもあるし。食事をしないと体力と気力が落ちるのは早い気がする。

彼女とついたうどん屋さんで、気に入っているメニューを私が2つ、と頼んで食べ始めた。

「おいしいかも…」
最初は「しょうがないからお付き合いしましょう」みたいな感じだったのだけれど、ちょっと頬に赤みが戻り、彼女はうどんを全部食べきることが出来た。お母さんが作ってくれたのにそっくりだそう。やっぱりね!

こういう状態になった時、食べられる種類のものがぐっと減る。
大体「好物で、いつでも大歓迎」だったはずの食べ物なら、まあ誰かが用意してくれて、勧められれば、食べるかなあ、ぐらい。
「嫌いではない」ぐらいのものでも、誰かが目の前に用意してくれたら、「体のことも考えて、食べないわけでもない」程度?
でも、「自分で料理して食べる」となると、ぐわっと無理感が増す。

今回狙ったのは「子供のころから食べ慣れた味のもの」で、「誰かが用意してくれたら」、おなかに入るかも…というところで、これは彼女の親御さんがいれば問題なかったのだが、ちょっと前…多分2年ぐらい前に亡くなられているので、その線はナシだから、次善の作戦としてこれになった。

あたたかいうどんで、昔こういうの食べたな、な味で。
せめて一食でも食べておけば違うから。

元気が出ますように。このうどん屋は彼女も気に入ったらしい。
近いのでまた行くそうだ。同居人の顔見て食べるよりずっとましなのだそう。

ますます言葉に詰まるけれども、うどんはおいしかった。

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    まこ

    Author:まこ
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