小さいミカン
みかんがおいしくなってきた。小さい、それこそ鏡餅の上にのっている橙よりも、ちょっと大きいぐらいのがたくさん入った袋を買ってくるのが私の楽しみだ。
もちろん上等=値段が高いものは大きくて立派だけれど、なんとなくこの小さいのがいい。
お行儀悪く食べるとしたら一口でほおばれるぐらいのがベスト。見かけが悪いものは特に安い。そういう傷があっても中身にまでは問題がないものばかりなので、そういうのばっかり買ってくる。
みかんは、すっぱいのがいい。甘くて酸っぱくて、味が濃いのがいい。その次にかなりすっぱくて甘くないのもまあいい。
甘いだけで酸味が少ないミカンは、人によっては好まれるだろうが(大きいのに多い)、私は嫌いだ。大体そういうのにあたったときは、お皿に載せて夫に出してしまう。夫は酸味に敏感で、酸っぱいものが苦手だから喜ばれる。
そして一番始末に困るのが、酸っぱくもなし、甘くもないという味が薄いもの。とはいえ、こういうのは昨今見かけなくなった気がする。私が子どもの頃は時々そういうのにあたることがあった。祖母の家で、お正月用に届けられた特大で、皮のぶわぶわしたみかんにそういうのが多かった。
みかんの中身と、外側の皮がぴったり張り付いていないタイプのもので、むきやすかったのだが、そういうのにあたる確率が高かったので自分の家で食べている安くて小さくて、酸っぱいミカンのほうが好みだった私はすっかり大きいミカンに愛想をつかしたというわけだ。
そんなわけで、夫には「一番安いのを狙わなくてもいいんだよ」と言われながら、今日も買ってくる奴は一番小さいタイプ。
皮が身にぴったりくっついていて、皮をひとつながりにむくのが難しいけど、多分私はずっとこういうのを買い続けるだろう。
ひんやりと口の中にはじける果汁は甘酸っぱく、今からしばらくはチョコレートだとかおせんべいよりもこっちがよくなる。
こたつ、買おうかなあ。定番でこう思うのはやはり「こたつとみかん」という組み合わせが頭に浮かぶから。
ほかの人はどんな基準でみかんを選ぶんだろうなあ。私は知らないけど「大きくておいしいミカン」の選び方とかはあるんだろうか。それとも今の時代、ミカンはどのサイズでも味が濃くておいしいのか。甘すぎるみかんに当たらないコツがあるとかさ。酸っぱいミカンが好きなので、このあたりは多分常識じゃないんだろうし。
午前中なのにもう今日のみかんカウントは3つ。この分だとまたすぐ買いに行かないと。