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「小公子」川端康成訳 の違い

 バーネット作、「小公子」も、これまた好きな本で、日本語で書籍版を手元に置いておこうと思ったのだが、今一番買いやすい電子書籍は新潮文庫の「川端康成/野上彰」訳のもの。

 昔の岩波少年文庫の訳である「吉田甲子太郎」さん版も電子書籍で売っているので、これは意外とお買い得(300円)。
 今の岩波少年文庫の「脇明子」さん版も買える。

 脇明子さん版は、セドリックがお母さんを呼ぶときに、「なかよしさん」と呼ぶのが気にならなければ、いい訳だと思う。
 ちなみに英語版は「Dearest」。どちらかというと、恋人とか配偶者を呼ぶときに使うことが多い気がするけれども、セドリックのなくなったお父さんの真似をセドリックがしているという設定なのでこうなっている。「最愛の人」というわけだ。この小説が書かれてすぐの頃は、男の子にセドリックみたいな黒いビロードに白いレースの衿を付けたスーツを着せるのが流行り、小さな息子にDearestと呼ばせるお母さんがいっぱいいたのだとか。

 新潮文庫の川端/野上さん訳は、読んだときに微妙な感じだった。この新潮文庫訳では、お母さんがセドリックのことを「セデー」と呼んでいる。この呼び方をする訳がなんとなく嫌で、違う出版社のを買いに行った覚えがある。

 

そう思いながら、小公女が目当てで買った、創元社の「少年少女世界文学全集9 小公子 小公女」を読んだら、こっちでは「セデー」じゃなくて、「セディ」と呼んでいる。
 
 違う…?新潮文庫の方は「ホッスさん」だが、創元社の方は普通に「ホッスさん」だ。わかりやすく違う。
 それに文章も違うような…?

 図書館から借りてきた小公女の角川文庫と、創元社のほうは、少なくとも冒頭部には見た感じ違いがなかったけれど、新潮文庫の小公子と創元社の小公子は別の人が訳したのかというぐらい、違いがあることがわかった。
 子ども向けに特別に訳したとかそういうことなのかなあ。
原文はこれ。He was not old enough to know of anything else todo, so he did what he could, and was more of a comfort to her than he could have understood.

創元社版 まだ年がいかないので、ほかに何をしていいか、わからないのだが、できることをしているのだし、また、それがママには、セドリックが思うよりも、もっとなぐさめになった。



新潮社版 まだ本当の子どもなので、セドリックはほかにどうしていいのかわからなかった。それでも母は、そうしてくれるのを、セドリックが思っているよりも、ずっとなぐさめられていた。

こうなっている。新潮文庫版のほうが微妙に飛んでる感じ?または創元社のほうが直訳っぽいというべきなんだろうか。
なんせ1か所だけでもこう。ほかにもいっぱい違いがあって、とてもじゃないけど「同じ訳」と見るべきではないだろう。これは古い本を買うときは注意だなあ。前に読んだのはこの人の訳だったはずさ!と思って買ったらこの差ってことだものね。

 創元社の訳は好みの訳だった。あとがきで小学校4年生までの漢字しか使いませんでした、と書いてあって、幼年向きだということが書いてあったから、多分子どもにもわかりやすい訳だとか、そういうことなんだろうな。なんせ「むす子」だしな…。「息」は四年生では習わなかったのだろう。
 
 創元社版の訳は、読むときれいで、朗読にも向いていると思う。

私が気にいって、持っていたのは旺文社文庫のこれ。ネットのいいところはお金さえ出す気があれば、古本が探しやすいということ。これも「ヤケ、シミ、汚れなどがあるので、読めればいい人だけ買ってください」みたいなコメントのものだった。角川と新潮にも昔からあったからだろう、秘密の花園より数が出なかった感じで、探しづらかったが、あった。
 さっきの部分の訳はこんな感じ。
 旺文社版 まだ幼くて、ほかにどうしようもなかったセドリックは、自分でできるだけのことはした。でも、それはセドリックには分らないほど母親のなぐさめになったのだった。

 素直でわかりやすい訳だと思うのだけれど、やっぱり角川とか新潮、それから岩波の訳(若松賤子さん訳)のほうが有名なんだろうな。
 
 これを買ったのは多分中学生の時で、他の出版社のはもうちょっとカバーがかわいかったのだけれど、この絵がなあ…と思って違うカバーをかけていたと思う。久しぶりに読んだら、元気が出るんだよね、これ。

 これはつまりどういう本かというと「ロマンス本」。こんな男の子、どこにもいないと思う。思うんだけどね?でもロマンス小説のステキな相手役というものが本当にこんな人いるのか?という感じなのと同じ。これはこんな子いたらステキだろうなあ、とそういうステキな人に遭遇したつもりになって楽しむ物語。明るく、素直で楽しそうで、好意を持って接してくれて、自分がいい人なのだと思わせてくれて、その信頼を受けて気分がよくなる、そういう子が、にっこり目の前にいたら、そしてまだ、小さい子だったら!そりゃかわいいでしょう!うんうん、そうだよね!と、そういう本なのだった。

 アイドルを見るように、楽しい気分になる。世界に愛されるというのは、こういうことなのかもしれない…。毎回そのかわいさ、すばらしさに幸せな感じがするので、数年に一度は今でも読む本。
 この本を好きな人に、どの訳がいいか、ちょっと聞いてみたい。

 


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    まこ

    Author:まこ
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