FC2ブログ

毎日更新!LuckyDuckyDiary

いらっしゃいませ。毎朝6時には更新します。さっくり読んでいってください。コメントくださった方はリンクさせてください、相互リンク歓迎、リンクがダメな方は連絡お願いします。

マスクの買えない時に

 マスクがオークションやフリマのサイトに大量に出品されているらしい。
 身の回りの話題として「マスクが買えないねえ」というのが割と共感の呼べる話題のひとつとして雑談に出ているのを何度か聞いたし、確かに全然マスクは近隣のお店にはない。幼稚園の子どもだったら、まあ…というサイズの子ども用が数枚売っているのを見たぐらいだろうか。

 私も家にある布マスクの数をチェックして作り足そうかな、と思うぐらいには気になる。もうそろそろ花粉が飛ぶシーズンだし、たとえ布でも「ないよりまし」ということはあるだろうからだ。(鼻水がたれそうになっているのが外に見えないだけでも、私にとっては意味がある)新聞記事でも、マスクの増産の設備投資に公的な補助を出す、というようなのを読んだぐらいだ、こういう風に大騒ぎになるほど品不足が起きるのは日本ではまれなことだと思う。

 転売は、確かに儲かる。うちの母のように、ないとなったらパニックになって突然要りもしなかったものが買いたくなる人というのは一定数いるからだ(父が止めている)。今回は伝染する病気がからんでいるため、恐怖にかられた人たちが買い占めたり、転売品を高い値段を出して買う…ということを思えば、これはそういうものを売りつけるのにいい機会だと思う人が出るのもしょうがないことなのかなあ、とは思う。みんなお金はほしいよね。

 買占めや転売を見るたびに私は思い出すことがある。
 それは、25年以上前のことになるのか?もう。コメ不足になったとき。
 米が記録的な不作で、当時ほとんど米の輸入をしていなかった日本だが、タイの米を輸入したぐらいには、不足していた年のこと。生協でお米を配達してもらっていた実家でも、タイ米しか買えない日が続き、一人暮らしをしていた私も、スーパーのお米がみんなタイ米になった。実家で一度タイ米を食べた私は、買って食べるほどでもない、と判断。

 今はタイ米をおいしいな、とエスニックレストランで食べることが出来る私だが、当時はそういう味に慣れていなかった。小麦粉食に移行、めん類や、お好み焼き、パンなどを食べていたのだが、基本1日1度は米を食べていたため、コメ不足にはちょっと参っていた。

 個人商店のいわゆる「米穀店」からお米を届けてもらっていた友人の家は変わらず米が届いたというから、「売り渋り」とか、「お得意様限定」とか、「一見さんお断り」とか、そういう感じで、お年寄りの中には買えるうちに、と何百キロも買いだめをしたという新聞の記事を読んだ覚えがある。

 会社帰りの自転車での通勤路の米屋さんに、ダメもとで入って、聞いてみた。
 当たり前にキロ単位で売っているというではないか。びっくりした。
 「お米がどこでも買えなくって。ありがとうございます」と喜ぶ私に、本当にそうですねえと相槌を打ちながら、あんまりたくさん買って保存しておくとおいしくなくなっちゃうので、今食べる分だけ買って、また来た方がいい、と勧めて、精米してくれた。

 そのあと、私が周りにお米が買えなくなっている人が多いので、このお店のことを教えてもいいか、と聞いたら大丈夫だと請け負ってくれた。

 その時は、お米屋さんがお店を閉めてしまって、お得意様の配達にしか回っていないというのが当たり前になってしまったころで、電話をかけても「予約の方にしか売っていないんですよ」と断られた話もよく聞いたし、お得意様として登録されて配達をしてもらっていた人だって、10キロじゃなくて5キロにしてくれとか、ちょっと値段が上がっちゃうとか、なんていう話をされたという話だって聞いたほどだった。私がその通勤途中の米屋さんに目が行ったのだって「お米屋さんなのに開いている」からだったような時期だったのだ。

 初めてきた人にも、スーパーの安いお米とそれほど違わない値段でブレンド米を売ってくれる(コシヒカリとかのブランド米はそれなりに高かったが、それはどこで買っても高いからね)お米屋さんというのはもしかしたら全国でそこだけとはいわないものの県下にそこだけだったのかもしれないと思うぐらいには、珍しかった。

  「うちは売りますよ、誰にでも、なくなるまでね。お米が本当になくなっちゃったら、みんなでタイ米を食べましょうよ」とニコニコ笑って言ってくれるお米屋さんのご主人の心意気が、美しいな、と思ったのだった。

 家に帰って食べた白いご飯はとてもおいしかった。またしばらくは小麦粉で頑張れそう…と思った。
 次の日の昼休みに私がそのお米屋さんでコメが買えた話はあっという間に社内をかけめぐり、私は米屋さんの場所をお局さんに聞かれた。そこから話は全体的に飛び火してかなり会社から近かったのでみんなが昼休みの残り時間やら、就業時間終了後に財布をもって米屋さんへ駆けつけたり、おじさんたちは家に2キロ持って帰ったり。みんな大喜びだった。

 休日に遊びに来た友達に、そんなわけでお米あるんだ、食べる?とご飯炊いて出したらすごく有難がられた(うちは小麦粉祭りだったが、その子はパスタ祭りになっていたそうだ)。
 「その米屋の場所教えて、買って帰る!」という県外の友達を案内したこともあった。

 理屈から行くと、多分値段をあげてもみんな買ったと思う。そのぐらい貴重で、足りなかったのだ。
 初めての人に義理なんかない、と売らなくてもよかっただろう。自分がキープしている人との関係性をよく保つためには、在庫が欠かせないからだ。

 でも値段を高くもしない、売り渋りもしない。みんなでこの危機を乗り越えましょう、だめならみんなでちょっとずつ大変な思いをすればいいのだと言い切るその人を見て、わたしも見習いたいと思った。

 そして…結局米はそのお米屋さんからなくならなかった。それから引っ越すまで、私はその米屋さんでお米を買い続けた。うちの会社の人も相当数の人がそうしていた。多分、あのお米屋さんはあの米騒動のあと固定客がとても増えただろうと思う。いつのまにかまた、お米の収穫シーズンが来て、コメ不足は見事解消したのだった。
 
 人の弱みに付け込む商売は儲かるのかもしれない。買占めもすれば安心なのかもしれない。でも、私はあのお米を一人暮らしの私に分け隔てなく売ってくれたあの人のことを考えると、自分ではやらないでおこうと思うのだ。
 「みんなでわけよう、そしてだめならみんなでちょっとずつ不便を我慢しましょう」そういうスタンスでいきたい。
 これが、日本で最後の食べ物だとか、これがないと間違いなく死ぬとか、絶対病気がうつらない魔法のようなアイテムだったら…私だって息子のことを考えたら手に入れてやりたいと思うだろう。

 でも…今のところはそこまで深刻な話でもなし、マスクにはそんな魔法のような効果はないらしい。
 だからちょっとだけ…ちょーーっとだけ、格好つけたいなあと思うのだ。

 こういうのも、見栄っ張りというのだろうけれども、あのお米屋さんのご主人は、かっこよかったなあ。ああいうことが言える人に、私もなりたい。

 そして、多分だけど、マスク不足は近いうちに解消すると思う。終わってしまえば「あれはなんだったんだ」ということになるんだよねえ。

Top

HOME

    思ったことを何でも書くゲーマーブログ。リンクはご自由にどうぞ。

    まこ

    Author:まこ
    どこをクリックしても一銭にもならない、ただの主婦の日記帳です。
    ゲーマーで、本好きで、クラフト好きです。

    01 | 2020/02 | 03
    - - - - - - 1
    2 3 4 5 6 7 8
    9 10 11 12 13 14 15
    16 17 18 19 20 21 22
    23 24 25 26 27 28 29

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    この人とブロともになる