はじめての編み物
編み物のワークショップを申し込みに行った時、お店で中学生ぐらいの子が、「日曜日編み物ワークショップ」に参加しているのを見た。もしかしたら小学校の高学年かもしれない。
付き添いにおばあちゃんとお母さんのダブル。多分おばあちゃんと思しき女性は編み物経験者。
とても太い糸で、ガーター編みのマフラーを作るもので、アクリルたわしでないならそうなるわね、という初心者向け間違いなかった。目があって、話しかけられた。「こういうのって、全然わからなくて」とお母さんらしいちょっと私より若いかも、という女性がいうので、「大丈夫ですよ、もっと小さいお子さんでも、やってる方がいますから」とつい、相槌をうった。
私が最初編み物を始めたのは多分幼稚園の時で、その時はかぎ針で電車ごっこのヒモを編んだ。鎖編みだけなら手でも編めるので、昭和の田舎の女の子たちは大抵そういうヒモなら編んだことがあった。学校に持って行っても怒られないあやとりのヒモを持っている子は多かった。ただ、毛糸をただ輪にして結んだだけのヒモは絡みやすく、複雑な形のものをつくって失敗してこんがらかるとほどきづらくなるから、編んだヒモのほうが人気が高かったし、おうちが共働きならそういうヒモでカギを首にぶら下げている子も多かったと思う。段染めの毛糸は特に人気だったと記憶している。
昭和のお母さんたちは編み物をする人が多かったので、あまった毛糸ぐらいなら子どもにくれたし、自分の子の友達にまで融通してくれた人もあった。中心の輪から編み出してコマ編みと長編みで花びらを作って最後に真ん中をぎゅっと絞って作成するお花の形のパーツは「かわいいもの」として作る子がいたっけ。さすがにベストだ、セーターだとなると「学年にひとり」ぐらいだったが、小学校4年生でおばあちゃんに教わってポシェットを編んだ、ぐらいならびっくりされるほどでもなかった。
軽く雑談したが、「できなかったらどうしよう」については、このお店で買った毛糸を使っているのなら、「もうだめだ」ってなったら、お金を払って編んでもらうのも可能だということ、「もっとやってみたい」のなら、図書館にいけば初級者向けの本が借りられること、本を見てわからなければYouTubeに「XX 編み方」と入れて検索すれば大抵の編み方の動画が見られることもアドバイスしておいた。
あとは本を見て、編みたいものがあれば、その本をこのお店に持ってきて、「これが編みたいです」と見せれば、お店の方で毛糸や道具を見繕って、簡単な編み方ぐらいなら手ほどきしてくれることも。
「いっぱい毛糸持ってるんですけどね、私が持っている毛糸では参加不可って言われたんですよ」とおばあちゃんらしき人は言っていたが、それはそうだろう……。なんせこのワークショップは毛糸と道具の代金は取るが、教える料金は入っていない。毛糸を売っているお店がこういうことをサービスでやってくれるのは顧客開拓のためなんだよね。
手作りが実用ではなく、趣味の世界になってしまった今、毛糸を趣味で買ってくれるお客さん=編み物が趣味になる人を増やさないと毛糸が売れないからねえ。毛糸屋さんも商売というものがあるんだから。
ちなみにそのおばあちゃんは私のネックウォーマーに興味をそそられたらしく、「見せてください」というので外して渡した。
こういう風に輪に編むのもいいわね、と。どういう毛糸で編んであるんですか?というので、この毛糸屋さんで売っている「Opal毛糸」で編んであるんですよ、と宣伝しておいた。1玉1800円もするけど!(20グラムしか使っていないから、実質360円)
お母さんの方には「輪に編む」の説明が必要だったみたいで、一応説明したけど、全く編み物をしない人にわかるように説明するのはむずかしかった。
私は家庭科で編み物をやったけど、多分私より年下だし、家庭科でやらなかったんだろうなあ……。親や祖母もやっていたし、近所にそういうものを編む人も、編み物の先生をしている近所の人までいたのだから、こういうことは「なんとなく」知っていることも結構あったことを思えば、子どもの頃に編み物に出会えたのは幸運だったのかも。息の長い趣味だと思う。
上を見たらきりがないけれども、下手なら下手なりに楽しめるし、材料費もかければいくらでも行ってしまうけれど、かけないならかけないなりに楽しめる。じわじわとガーター編みを進めている女の子に心の中で応援しておいた。
いっぱい編んでね。楽しんでほしい。いつか、こんなことも出来なかったんだっけ、懐かしいなあ……って思う日がくるから。
付き添いにおばあちゃんとお母さんのダブル。多分おばあちゃんと思しき女性は編み物経験者。
とても太い糸で、ガーター編みのマフラーを作るもので、アクリルたわしでないならそうなるわね、という初心者向け間違いなかった。目があって、話しかけられた。「こういうのって、全然わからなくて」とお母さんらしいちょっと私より若いかも、という女性がいうので、「大丈夫ですよ、もっと小さいお子さんでも、やってる方がいますから」とつい、相槌をうった。
私が最初編み物を始めたのは多分幼稚園の時で、その時はかぎ針で電車ごっこのヒモを編んだ。鎖編みだけなら手でも編めるので、昭和の田舎の女の子たちは大抵そういうヒモなら編んだことがあった。学校に持って行っても怒られないあやとりのヒモを持っている子は多かった。ただ、毛糸をただ輪にして結んだだけのヒモは絡みやすく、複雑な形のものをつくって失敗してこんがらかるとほどきづらくなるから、編んだヒモのほうが人気が高かったし、おうちが共働きならそういうヒモでカギを首にぶら下げている子も多かったと思う。段染めの毛糸は特に人気だったと記憶している。
昭和のお母さんたちは編み物をする人が多かったので、あまった毛糸ぐらいなら子どもにくれたし、自分の子の友達にまで融通してくれた人もあった。中心の輪から編み出してコマ編みと長編みで花びらを作って最後に真ん中をぎゅっと絞って作成するお花の形のパーツは「かわいいもの」として作る子がいたっけ。さすがにベストだ、セーターだとなると「学年にひとり」ぐらいだったが、小学校4年生でおばあちゃんに教わってポシェットを編んだ、ぐらいならびっくりされるほどでもなかった。
軽く雑談したが、「できなかったらどうしよう」については、このお店で買った毛糸を使っているのなら、「もうだめだ」ってなったら、お金を払って編んでもらうのも可能だということ、「もっとやってみたい」のなら、図書館にいけば初級者向けの本が借りられること、本を見てわからなければYouTubeに「XX 編み方」と入れて検索すれば大抵の編み方の動画が見られることもアドバイスしておいた。
あとは本を見て、編みたいものがあれば、その本をこのお店に持ってきて、「これが編みたいです」と見せれば、お店の方で毛糸や道具を見繕って、簡単な編み方ぐらいなら手ほどきしてくれることも。
「いっぱい毛糸持ってるんですけどね、私が持っている毛糸では参加不可って言われたんですよ」とおばあちゃんらしき人は言っていたが、それはそうだろう……。なんせこのワークショップは毛糸と道具の代金は取るが、教える料金は入っていない。毛糸を売っているお店がこういうことをサービスでやってくれるのは顧客開拓のためなんだよね。
手作りが実用ではなく、趣味の世界になってしまった今、毛糸を趣味で買ってくれるお客さん=編み物が趣味になる人を増やさないと毛糸が売れないからねえ。毛糸屋さんも商売というものがあるんだから。
ちなみにそのおばあちゃんは私のネックウォーマーに興味をそそられたらしく、「見せてください」というので外して渡した。
こういう風に輪に編むのもいいわね、と。どういう毛糸で編んであるんですか?というので、この毛糸屋さんで売っている「Opal毛糸」で編んであるんですよ、と宣伝しておいた。1玉1800円もするけど!(20グラムしか使っていないから、実質360円)
お母さんの方には「輪に編む」の説明が必要だったみたいで、一応説明したけど、全く編み物をしない人にわかるように説明するのはむずかしかった。
私は家庭科で編み物をやったけど、多分私より年下だし、家庭科でやらなかったんだろうなあ……。親や祖母もやっていたし、近所にそういうものを編む人も、編み物の先生をしている近所の人までいたのだから、こういうことは「なんとなく」知っていることも結構あったことを思えば、子どもの頃に編み物に出会えたのは幸運だったのかも。息の長い趣味だと思う。
上を見たらきりがないけれども、下手なら下手なりに楽しめるし、材料費もかければいくらでも行ってしまうけれど、かけないならかけないなりに楽しめる。じわじわとガーター編みを進めている女の子に心の中で応援しておいた。
いっぱい編んでね。楽しんでほしい。いつか、こんなことも出来なかったんだっけ、懐かしいなあ……って思う日がくるから。