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日本のマナリズム

 コーラスの周年コンサートが近づいてきた。こういう演奏団体によっては、大掛かりな周年コンサートに練習期間が短い人が出るのを嫌がるところもあって、練習期間が半年どころか、3カ月しかないというのに「一緒に出ましょう!」と反対者が全く出ないというのは私にとってはちょっと驚きだった。正直出演は辞退しようと思っていたぐらいだ。こういうところでもめると後が面倒だからね……。

 基本音楽系統の団体は女性が多く、そうなるとこう、人間関係が割と面倒くさくなることも多い。そういうのが苦手だとじぶんでわかっているから、なるべく問題を避けようと思っているわけだ。ただ、アルトは不足気味だったということも大きいだろう。これがソプラノだったら話は別だったかもしれない。

 一応細部はともかくも、はっきりわかるような間違いはしなくなり、振り付けに余裕はないものの目立つほどは落ちなくなってきた。
音程で上がりきらない、下がりづらい、または下がりすぎる……というような細かいところで失敗しやすいところのチェックは、習い事の先生(コーラスのではないが、音楽系の人。細かい音程が聞こえる)に頼んで終わっているので、そこだけ暗記しておけば多分、失敗しないはず。

 隣で歌っている人にも「ここ何週間で急に覚えたねえ」とほめてもらったし、練習に行くのに気が重いということもなくなった。
やっぱりちゃんとできるとわかって不安がなくなると違うものだなあ、と思う。

 コンサートには途中、団員の子供が出るステージがある。ちなみにうちの息子にも出演の打診があったのだが、「いや、遠慮しておく」というのでうちの子は出ないが、つまりこのコーラスグループは幼稚園のコーラスのOB会から発生したものなので、団員の子どもたちは全員同じ幼稚園の卒園生。全員が練習をそれほどせずとも歌える愛唱歌がいくつかある。

 通し稽古の時に、その子たちが出るパートもやるのだが、その時、ここでお辞儀をします、となって、先生が和音を弾いた。
 ジャーン♪じゃーん♪ジャーン、と、三回、最初の和音で気を付け、真ん中の1回がちょっと低くて、そこで頭を下げ、3回目の和音で頭をあげて、直れ、となる和音で、全員がお辞儀のタイミングがわかるという機能がある。

 そういやあ、これって日本独特かも、とふと思った。

 この和音を聞いたら、日本ではお辞儀をするのだとわかる子がほとんどではないかなと思う。
 たとえば即席で舞台にでて、全員並んで、この1つ目の和音がなったら、「あ」となり、2つ目がなったらぺこり、と全員出来る気がする。
 上の方はちょっとわからないが、1960年代に教育を受けた世代から、現在の幼稚園ぐらいの子供までの幅広い年齢の人がこの合図を理解できると思う。

日本の幼稚園、保育園、小学校でも私立公立を問わずやると思うけど、アメリカにはなかった気がするなあ。舞台に出て、最後にお辞儀をするという文化はアメリカにもあったけど。

 ここまで幅広い年齢に知られているマナリズムというのもちょっとおもしろいなと思う。これより幅広くとなると、手を合わせて「いただきます」と「ごちそうさま」をいうとか、そのぐらいまで行ってしまいそうだ。

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    まこ

    Author:まこ
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