うううう、なニュース
私のスマホのニュースサイトに、見出しとリンクがあったニュースが、これ。【ニューズウィーク日本語版の9月12日の記事】。
なんとなくクリックして読んで、「うぁあ!」と変な声が出てしまった。
見出しは、「思い出として刺青を保存しませんか」。いや……見出しからわかれよ、という意見はあると思う。私も後でそう思った。
刺青というのは日本では文化的にはあんまり、一般に受け入れられていない。琉球文化や、マオリや、ネイティブアメリカンの文化のように、一般の人が当たり前に自分の個性の発揮出来る装飾としてとか、お守りとして身を飾る習慣がない。
まあ…こういう模様をいれている人は「やくざ」関連の人が多いということになっているし、そういう職業ではない人や、タレントさんが個人の好みで刺青をいれるのは眉をひそめられるようなこと……という感じになっている。
かたや、アメリカあたりだと、「かっこいいから」「きれいだから」と十代二十代の頃に刺青をいれる人が多い。脱いだ時にきれいだから、と自分の魅力をあげるために肩から背中にかけて特大の刺青をいれたという女性に知り合いもあったし(私はびっくりしたけど)十代で「親友とお揃いを彫るの」と喜んでいたクラスメイトもいた(これも女子)。
首の後ろに「漢字の意味、わかってんのかなあ」としか思えない2文字をでかでかと彫った男子は同じ学校のカフェテリアでしょっちゅう見たので覚えている(顔は覚えていない。覚えているのは刺青ってとこがなんだね)し、かなりいい成績でオールAを狙っていた同級生も、足首にピンクの雲と黄色い三日月と星……みたいなかわいい刺青を彫っていた。大体刺青率は20パーセントから25パーセントぐらいはあった。
ちなみに、90年代のことだったが、それでも親の世代にあたる50代ぐらいの人に聞いてみると、「プロフェッショナルな職業に就くのなら、服で隠れる部分にしなさい」とアドバイスするといっていた。ぱっと見ですぐにわかってしまう、顔とか、首、それからひじから下、などは頼むからやめておいて……ということらしい。たとえばおしりとか、靴を履いたときに隠れる部分あたりなら、たとえプールに入っても目立たないから、と。つまり男性の胸と背中はオープンになることが多いため、勧めないとか。
まあ、そういう文化圏では、カラフルに刺青をいれている人というのは割と見ることになる。上半身裸でバーベキューをしているおじさんにごちゃごちゃとした刺青が……というのは結構見たし、でっかいバイクに乗っている男性の刺青率はかなり高かった。ほぼ100パーセント。プールで女の人の二の腕に柄が入っているぐらいならスルーできるようになってしまう。
なるべくそういう「文化の違い」については、偏見を持たないように注意しているつもりだった。これは意識しないとどうしても日本のことを当たり前に思いがちだということでもあるし、他の国のヒトから「えーー?日本人ってへーん」と言われるとちょっとムっとするからでもある。
私は「民族中心主義者」にはなりたくないと思っている。そういう人はアメリカにいるときずいぶん見た。他の文化圏から来ていて、英語があんまり喋れない人にむかって、「どうして英語がしゃべれないの?」なんて真顔で悪気もなく聞いてしまう人たち。飛行機も船も自動車もないころに、人間の地域交流がほとんどないのは当たり前で、いろいろな宗教が歴史の中で各地で発生して信じられてきているという事実が全く理解できず、キリスト教だけが正しいのだと本気で思っている人たち。
ああいう人たちと同じようにはなりたくない。ないが…。
しかしこのニュース、つまり刺青をしている人の死体から皮をはいでなめして、保存する…ってことだよね。いや……動物の皮といえばそうなんだから出来ないわけはないんだけど、想像すると「うわぁ」ってなる。
別の部屋でニュースを読んでいたのだけれど、その声にびっくりした夫に、「どうしたの?」と聞かれた。この際だ、夫も巻き込もう。
このニュースの解説をしたら、夫も「うわぁ、なんかエグい!」という感想だった。
そんなわけで、この気分をみなさんにも無理やりおすそ分けすることになった日記でした。
刺激的な見出しと写真はもうネットでニュースを読むようになって見慣れたと思っていたけれども、まだまだってことだね。