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1人暮らしへのきっかけ

十代、二十代と親と折り合いが悪かった私は、ずっと一人暮らしがしたいと思っていた。
 だが、うちの母は実家から婚家へそのままお嫁に来た…という経歴だったため、一人暮らしの経験が全くなく、なぜか「一人暮らしなんか絶対あなたには無理」と言われていた。
 
 何をやらせても要領が悪いといわれていた私だったので、無理といわれてもしょうがないと思っていた。折り合いが悪いとはいえ、生まれたときから私を見ている人なんだもの、そういわれれば、「そうなのか」と思うしかない。

 18歳の頃、知り合った人は、一人暮らしだった。電話なんか持っていないということだったので、その人と会おうと思ったら、約束はその人に会ったときするしかない。その人は音楽のプロになりたくて都市部に出てきたという人だった。

 その人は大変パワフルで、何をさせても面白い人で、仲間内でも大変人気があった。しょっちゅう誰かがその人の家に遊びに行っていて、仲間に入れてもらったばかりの私も、みんなが行くので、いつの間にか遊びに行くようになった。

 かなり古そうなアパートだったが、まず、お茶をみんなで飲もうったって、ガスは止まっている。
  そこで出てくるのは電気ポット。ブレーカーをどっこいしょ、とあげてスタート。
普段はブレーカーを落として生活するという徹底ぶり。紅茶にはビタミンCが入ってるから、野菜が取れないときはこれに限るんだ、などと聞かされながらみんなで飲む温かい紅茶がやけにおいしかった。
 なるほど、みんながこの家に行く前にお菓子を買い込むわけだ…。納得。
 冷蔵庫もなかった。買ってきてすぐ食べてしまえば冷蔵庫なんかいらないらしい。
 
 私が、一人暮らしが出来るかどうか悩んでいる、ということを聞いた彼は、私が遊びに行くたびにいろいろなことを教えてくれた。
 米を買わなくても、町にはパンの耳を30円も出せば結構な量、売ってくれるお店があること。スーパーで売っているハムのはしっこだけの「切り落としパック」のこと。マヨネーズと切り落としハムで作るおいしいピザトーストの作り方。実際にパンの耳にハムをのせて、マヨネーズをかけてこんがり焼いたトーストをごちそうになりながら、そんな話を聞くのはとても面白かった。

 なけなしのお小遣いで買った板チョコやカップラーメンなんかもって、本当によく遊びに行った。電気ポットで、ふたつに折ったパスタをゆでて、塩コショウと少量のオイルで味をつけたのなんかもあったっけ、家財道具は、つまり鍋さえないぐらいの状態で(当時100均はなかった)、それでも、最低限このぐらいあれば…という生活を目の当たりにした。

 寒い部屋で、みんなで毛布を膝に掛けて、体温でこたつ状態になって、朝から夕方までわいわい話をして、それからみんなで歩いて銭湯まで行く…なんていうのも楽しかったものだ。

 礼金だの、敷金だのがいらない部屋が、「ちゃんと不動産やさんで聞けば」あること、トイレが共同ならもっと安くなること、「まこは女の子だから、もうちょっと安全な方がいいだろうから、トイレバス共同はやめておいたほうがいい」と言われたが、風呂なし物件は「あり」で、一万円ぐらい家賃が安くなるなんて、聞いたこともなかったことだった。

 彼の生活費は、5万円ぐらい?ということだったので、私は、「これは、私にもいける」と確信した。家賃が2万5000円、食費に1万円以下、ガスはなしで、電気と水道で5000円以下。そういう感じ。
 クーラーもない、ガス湯沸かし器もない、ないけど…でも、いける。人間そういうものがない時代だって生きていたんだから。

 当時私は20歳前、彼も20台前半。若さで無理を乗り切っていたという側面もあるだろうが、好きなことで身をたてるためには、そのほかのことはもう、問題ではない、という彼を見て、私も、自分の力で生活していくことは出来るのではないだろうか…と思ったのだった。

 社会人になったら、いくらなんでも5万円、いや、10万円は手取り分にあるだろう。うまくいけばもっと。生活に5万円、まあ女性ということでもう少し安全な建物をねらうとしても風呂なしで銭湯が近辺にあれば、家賃4万、食べ物もパンの耳よりは贅沢にするとしたって自炊で2万円…とか考えると、インフラこみで7、8万あれば大丈夫だろう。ガスなんか、なくていいのだ。
 不便は不便だろうけれども、友達はちゃんと生活している。みんなが家に遊びに来てくれたら、きっと楽しいだろうし…。

 私はぐっと希望がかなう望みが出てきたなあとうれしくなったのだった。

 時は過ぎて、社会人になり、無事就職を果たした私は、せっせと貯金して一年、100万円ぐらいためてから、会社のそばの不動産屋さんへ行って、銭湯のそばで、お風呂がない物件を紹介してください、給料このぐらいなので、家賃がその2割か、3割で収まるようにしたいです、と相談して部屋を決めた。

 ガスも通っているし、トイレは部屋にあった上に、ちょっと安全を考えた建物だったので友達の生活ほど安くはならなかったが、それでも、お金が足りなくなったら、ガスを自分で止めて、電気のブレーカーは落として冷蔵庫なしだって生活できる、銭湯だって無理なら家で水だって浴びていいんだし、流し台で頭を洗ったっていいんだ、と思えるようになった。

 ちなみに私の食費節約のこつは、業務用小麦粉とキャベツで作るお好み焼き。切り落としのハムを乗せて。
 一人暮らしは、友達がたくさん遊びに来てくれてとても楽しかった。

 実家の母は、「すぐお金がなくなって、帰ってくるに決まっている」と言っていたらしいのだが、私は結局、全然帰らず、結婚してその部屋を引き払うまでその部屋で暮らした。

 友達は、結婚を反対されていた彼女が郷里から出てきたのを潮に、音楽で身をたてるのはあきらめて、持ち前の電気工学の知識で一部上場の大企業にさっさと就職を決め、「やっぱり、優秀な人は何をやってもさすがだなあ…」とみんなを感心させた。

 洗濯は一週間まとめてコインランドリー、冷蔵庫は近所のスーパーで買い物をして食べて、保存をしない。リサイクルショップの家電は安いこと、ガスはどうしても使いたければ、カセットコンロだったら前払いでガスをその都度買うしかないので、後で困らないこと、粗大ゴミは拾って直せば使えること…。国民保険は、払えなくても少しずつ分割が出来ること、保険証はそういうときのために期限の短い一時的なものが発行されること…一時的にしのいで、貯金がなくても、家電が買えなくても、流動資金だけでなんとかなることを教えてもらったのは、とても勉強になったと思う。

 優先順位を決めて、一番上以外は、切り捨てると意外と覚悟が決まって、ちゃんと私でも一人暮らしが出来た。水道はともかく、ガスと電気は止まっても大丈夫なのだ。そのあと、結婚して渡米して、貧乏暮らしだったけれども、楽しくやっていけたのは彼の生活を見ていたからだと思う。

 パンの耳、一袋30円、というのを今日パン屋さんで見て、当時のことを思い出したので書いてみた思い出でした。

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    まこ

    Author:まこ
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