LuckyDuckyDiary

千羽鶴早折り

息子が学校行事で千羽鶴を折るといっていたので思い出した。

私の中学校は修学旅行先が広島だった。平和学習というやつで、まあ、近隣ではありがちな行先だった。
実は千羽鶴というのは、始末に困るという話は大人になってから知ったが、当時は平和記念碑の前で千羽鶴をおいて黙祷をささげる儀式というのは広島の修学旅行では当然することになっていた。

 千羽鶴の由来の、病気の女の子が薬の包み紙で一羽ずつ鶴を折り、回復を祈った話も学校で事前学習した覚えがある。

 千羽鶴というのは名前の通り1000個折って出来上がりということになっているので、千羽折るわけだが、これが結構多い。
まだ昭和の時代だったのでクラスメイトは40名強いたはずだが、100羽なら2匹ちょっとでよくても1000羽となると頭数割にすると25羽。
 女の子は大抵折れたが、男子には折れない子もいた。
 「なー。俺の分折ってくれないかー?」と情けない顔で頼まれること数回。
 
私は折り紙が案外好きだったが、割と単純で同じものを何十回となるとつらい。大体クラブの先輩の卒業に千羽鶴を贈るというしきたりがあったので、中学校1年生の時、5人で4000羽折るという苦行にいそしんだ記憶も新しかった。
 ちなみに、一学年上の先輩たちは、「俺たちが出るときには千羽鶴なんかいらないから」と念を押してくれるような人だったので助かったが、結局クラスメイトの千羽鶴をだいぶ手伝うことになったものだ。

これはラチがあかないな…と思った私は、大勢で鶴を折る時の方法を教えて、早折りすることにした。

 いうなれば、家内制手工業型、というのだろうか。
 折り方の工程を1つずつに分けて、一動作だけをやる。
 工程1:全ての折り紙を半分に折る。
 工程2:全部半分になったら、それを半分に折って折り目をつける
 工程3:角のフラップを真ん中の線に合わせて折る
 
…とか、一つだけをやると、折り紙が下手な男子でも貢献出来る。この方法は人数が肝なのだ。
さすがに中学生になって折り紙を折り目にあわせたり、端に合わせたりしてきっちり折るのが出来ない生徒はいなかった。

 同じ作業だけをやると速度もあがる。
 出来上がった半製品を置いておく場所はいるが、大勢でやると、意外と早く片付くもので、一羽ずつ折っていたクラスよりも早く仕上がった。

 隣のクラスの先生が「心がこもっていない」と怒っていたらしいが、正直戦争はないほうがいいのも、原爆がなくなったほうがいいのも、一瞬で命を奪われた人が気の毒なのも、その人たちを悼み、日常に感謝しましょうということもわかってはいても、そこはやっぱり鶴を折っている時間がクラブの時間に食い込めば遅刻で怒られてグラウンド10周、なんていうことのほうがずっと実感として迫ってくる中学生としては、さっさと準備を終わらせてしまうことのほうが優先だった。

 確か家庭科クラブのメンバーだったクラスメイトが、出来た鶴を100羽ずつ糸に通してくれた。きれいにまとめるためには、鶴の頭は折らない。両方しっぽという状態になるのだけれど、それを見ながら、「頭がないなんて、鶴じゃないよなあ」とつぶやいていたクラスメイトに全員ふきだした。

 どんなことにも、ゲラゲラ笑える年齢だった。
 鶴を早く折る方法、なんて多分もう一生要らない知識だと思う。
 でも当時は、「なかなかすごい」と思われる知恵だったんだよね。こういう役に立たないようなことはいっぱい知ってるんだけどな。

 

たとえば、鶴を折る時、最初に三角に折って、それをもう一度半分に折って開くより、正方形から長方形になるように真っ二つに折ってスタートするほうががきれいに出来るとか。ちなみにこれはエヒメ紙工という会社の折り紙のパッケージの裏側の図。こっちがスタンダードになるべきだよね、と思うぐらい差が出る。



 こういう要らない知識って、お金になるわけでなし、今から役に立つわけでもなし…。
でも、ブログのネタにはなった。

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    まこ

    Author:まこ
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