サコッシュ自作
スーパーに行くだけなら、ここまで全部持っていかなくていいんじゃないだろうか。
財布と、ケータイと、エコバッグだけ…でも十分。
まっすぐ行って、まっすぐ帰ってくるだけだ。
どこにもよらないし、長時間でもない。
夏用のパーカーにポケットがついていれば、全部ポケットに詰めておけばいいかも…と思ったけど、財布は意外に大きい。
でも、財布を小さいのにしたら、数日後に【財布落とした】んだよね。落としたのに気付かず、自転車をこいで帰ってきてしまったのだ。財布は届いて事なきを得たが、財布を小さくするのはそんなわけでいいアイディアではない。
自転車をこぐのにジーンズの前ポケットに入れるのは邪魔だし…ポケットを大きくするということを考えると、思いつくのは小さかった姪たちが、ポケットのない服を着るとき使っていた「移動ポケット」。これはどんなものかというと、平らな袋に、それをぶらさげるクリップが2個ついていて、ウエストのところに留められるようになっているもの。
ああいう感じの、ぺったんこの袋をポケット代わりに…。ウエストに留めるのはちょっとやめておいて、ポーチとして肩にかけるのはどうだろうか。
薄くて、単純なつくりで、上は別にファスナーとか、なくていい。遠くに出かけたり、長時間出かけるときは、かばんにそのポーチごと放り込んでおいても邪魔にならないぐらいのものがいい。
そう思って、私はネットショッピングを始めた。
ポーチというのはとても幅の広い言葉で、単に「小さいバッグ」ならどれでも?と思うぐらい。立派な革製のものとか、サイズが小さいだけで、「これはショルダーバッグではないのか…」と思うようなバッグばっかり。
何十件も見て、「あ、これは割と近いか?」というものをクリック、また検索結果に戻って眺めて、「あ、これはそういう感じ?」と思ったものをチェックして…と繰り返してしばらく経つと、なんとなく「この商品をチェックした人はこれもチェックしています」という商品とか、「類似の商品」とかがピックアップされてくるようになる。
そこに私は「サコッシュ」という単語が頻出するのに気が付いた。
(えーーっと…なんかこう、アメリカで食べた煮込み料理に確かそんなのがあったような…)
(注:それは「サコタッシュ」。トウモロコシと豆の煮込み。そんなに好きな味ではなかったので1回しか食べたことがない)
試しに、「サコッシュ」と検索をかけると、一気に、ぺったんこで、肩ひもがついていて、割と単純なカバンがずらっと並んだ。
うむ…このタイプのバッグは、サコッシュというらしい。詳しく調べると、自転車レースに出る人に、補給物資を入れて渡す袋がサコッシュ。自転車のハンドルから片手だけ離して受け取って、首にかけて中身を摂る…というもので、軽さを求める自転車レース用のものには、ファスナーとかボタンとかがついていないんだって。
薄いコットンか、雨にぬれても大丈夫なナイロンかで出来ていることが多いのだとか。それと、自転車レースのは使い捨てで、観光客が拾ってお土産にするようなものらしい。つまり…スーパーの袋みたいなテキトウさと思えばいいっぽい。
安いのは500円ぐらい。高いのは4000円越え…。うーん。ファッションバッグとして使われているものは、ファスナーとか、ポケットとかがいっぱいついていて、単に小さめのバッグ状態。本当に単純なやつは…。送料込みで800円だすぐらいなら、これなら作れそうかも…というのもちらちらある。
安いのサコッシュのレビューを見ると、「ひもは、パラコードに取り換えたいと思います」なんていうのもあった。
パラコード!あるよ!私が使うんだから自分で作ればヒモの長さは変えられなくていいから、調節金具とかはいらないな。
大きさはkindleがぎりぎり入るぐらいで…口のところは折って…裏はなくていいから、と思うと本当に簡単だ。外側にポケットを一応つけるとして、布を二重にして…。
なんせ、本物というか元祖に近ければ近いほど、単純でいいんだから、簡単に作って、「こういうのが本来の形」といえばいいさ!というわけで、作成。
基本は、100均のデニムの耳が口のところに来るように布を2枚切って…
それから花柄の布の裏に接着芯を貼って、表になるデニムに合わせて、布のまわりをジグザグミシンで縫って…
ヒモ通し部分のベルトを挟んで中表に合わせて、脇と底を縫って終わり。
全行程で30分もかからなかった。
(と思ったけど、写真みたら、角のところがきれいじゃないのであとで縫い代を切って角を整えよう)
口のところは折って使う。
紐はパラコードで、端は、結んだら抜けないだろう、と思ったら、紐を通すベルトが長すぎて失敗。しょうがないので飾り結びにして、こぶを大きくしておいた。縦横21センチぐらいになったし、材料は家にあるものだけだったのでこんなもんでしょう…。
花柄の布は確か高かったけど、100均のデニムだけでもちゃんと作れるだろうし、その場合はデニムの端のところをうまく使ってポケットの布を取れば、縫うところなんかめちゃめちゃ少なそう…。
裏も表もどっちを外側に持ってもいいし、軽いし。
ふと思ったけど、ベルト部分に市販のバッグの持ち手とかを作るテープを使えば、子供の夏休みの宿題にとってもよさそうな作りをしているなあ…。小学生だったときに、こんなの作れば面白かったかも。当時は100均がなかったので、材料が買えなかったけど、今だと、コットンの丸ヒモをベルトの代わりに縫い込めば、ベルト要らないものなあ…。
要らない。絶対2つ要らないんだけど…でも作ってしまいそうだ。