記憶に残る神ゲー(その2)
相互リンクしている【鬼瓦権蔵さんのブログ】で記憶に残る神ゲーについて、記事にリンクして書いてほしい、というリクエストがあってから、私はしばらく考えていた。
記憶に残る1本、ってどれだろう。
私が【私が昔に書いた記事】の、「星をみる人」だろうか。ファミコンのもので、箱裏のストーリーが素敵だったので買ったが、正直クリアできた人は神だと思う。(このソフトについては一度書いたので割愛)
まだ書いていないソフトのうち、思いつくのは「超能力訓練ソフト」の「マインドシーカー」だ。
このソフト、ファミコンのヘンテコなゲームの筆頭に出るようなソフトで、今は高値で取引されているそうだが、私が買ったときは古道具屋の段ボールの中に1本30円で入っていた。もちろん箱説なしで、私はそういう30円ソフトだの、5本抱き合わせで100円のソフトだのを買いあさっていた。今のように「レトロゲーは高い値段が」つく時代ではない。スーファミの新品がまだ、トイザらスで買えた時代だったからね…。面白くないゲームは中古でとても安かった。
「吉田」だの、「たくみ」だの、油性マジックで名前が書かれていたり、ラベルがはがれかけているところに、何かの付録みたいなシールが貼られていたりするソフトも多かった。
マインドシーカーは、題名からは全く中身が想像できなかったが、プレイをスタートすると自分が超能力を開発する学校の訓練生になった…ということがわかる。テストをクリアして、超能力者になるのだと…。
テレパシー、念力…そういう感じ。
ランプが5つあって、次に光るのはどれか、当てるテスト。
カードの中から、指定の絵のものを当てるテスト。ESPカードって、確かにあったけどね!「ムー」とかの雑誌の宣伝にトランプのように売っていたのを覚えている。
画面の中の亀とか、人形とかを念力で決まった方向に動かすテスト、窓から見る飛行船がどこから出てくるか当てるテストもあった。
なんせ、テストを受けに行くときに、自分の部屋のドアさえ「念力を込めてボタンを押さないと開かない」のだ。
まず、念力をこめてドアを開けろ、と言われるときは、コントローラのボタンを、適当に押してはいけない。ゆっくりと、何回か押すと開く。
このあたりまでは、まあよかったのだ。そんなもんだろう…という予測も出来た。
しかし、どのランプが光るか、当てろ。になると、なかなか当たらない。テストをクリアしないとゲームが進まないので、どうにかして10問中7回ぐらいは当てなくてはならない。
このゲームを私と一緒に遊んでいたのは当時無職で暇だった友達、智樹(仮名)だった。
「なあ…これ、法則とかあるのか?」
「わからないね…一応メモってるけど」
私は、テストが始まってから、光るランプのパターンを番号でノートに書いていた。
毎回同じパターンで光るのなら、やり直しをすればいいわけだし、パターンが繰り返されるのにしても、どこかで法則性があるのなら始点と終点さえわかればどうにかなるだろう、と。
しかし法則は見つからなかった。5個のランプが10回光るテストを、30回ぐらいやってみたが、どうにも…。
…と、そのうち、8回正解してテストをクリアした。急いでセーブ。
どのテストも、法則性がわからず、コントローラのボタンを早く押すと、「いい加減なことをするな」だったか「丁寧にやれ」だったか、お小言をくらう時もあって、しょうがない、偶然に正答が出るのを狙って、セーブ、ロードを繰り返してじわじわと進む。
「なあ…これ本当にそのうち超能力が(自分たちから)出るんじゃないか?」
「アンタ、そんなこと本当に信じてるの?」
とかなんとか、ぐだぐだになりながら進める。キャラが進むと思う方向の十字ボタンを押せ、とか、4カ所のうち、次に選ばれるのはどこか…というような、バリエーションがあるようで全然ない超能力テストを受け続けて1問ずつ偶然当ててはセーブして…。
訓練所での訓練が終わると、次は街に出る。
街の人が出会うと出してくるクイズもまた、正解を予知とか、透視するといったようなもので、訓練所と大差ない。
正答率も10問のうち8個出せとか、7個出せとか…。偶然を8回当て続けるというのは、確率としてはありでも、なかなか難しい。
全く解けないというのはゲームとして成立しないんだから…と思って法則を発見しようと頑張ってみるもののわからないまま、偶然当たったらセーブを繰り返して進む。
「このゲーム、考えたのは誰なんだろう、頭おかしいよな」
「売れると思って、OK出した人は脳みそ発酵してると思うよ」
こんなゲームをまじめにプレイしている自分たちも、相当変だよ…というのを棚に上げて愚痴りながら、解いた。
丸一日では解けなくて、次の日までかかったと記憶している。
最後の問題をクリアすると、字がズラズラと出るエンディングが来る。
うわあ、終わったあ!!
「超能力が、発達した気がする?」
「いや、忍耐力が…多分」
ビールで乾杯して健闘を称えあった。
今、考えるとすっごい暇だったんだなあ…。そしておバカだった。若いころって本当に本当に、時間を無駄に過ごせたんだなあ。
智樹と会うと、大抵このゲームの話になって、お互い大笑いになる。暇だったねえ、馬鹿だったねえ…、若かったねえと。
神がかりというか、なんというか…超能力な1本でした。
ちなみに、ソフトは渡米する時に友達に全部配ってしまった。本体ごと、私の安いゲーコレクションを持って行った人とはもう今は連絡を取っていないので、どうなったか不明。今売ったら、高そうなクソレトロゲーが、たくさんあったんだけどなあ。
記憶に残る1本、ってどれだろう。
私が【私が昔に書いた記事】の、「星をみる人」だろうか。ファミコンのもので、箱裏のストーリーが素敵だったので買ったが、正直クリアできた人は神だと思う。(このソフトについては一度書いたので割愛)
まだ書いていないソフトのうち、思いつくのは「超能力訓練ソフト」の「マインドシーカー」だ。
このソフト、ファミコンのヘンテコなゲームの筆頭に出るようなソフトで、今は高値で取引されているそうだが、私が買ったときは古道具屋の段ボールの中に1本30円で入っていた。もちろん箱説なしで、私はそういう30円ソフトだの、5本抱き合わせで100円のソフトだのを買いあさっていた。今のように「レトロゲーは高い値段が」つく時代ではない。スーファミの新品がまだ、トイザらスで買えた時代だったからね…。面白くないゲームは中古でとても安かった。
「吉田」だの、「たくみ」だの、油性マジックで名前が書かれていたり、ラベルがはがれかけているところに、何かの付録みたいなシールが貼られていたりするソフトも多かった。
マインドシーカーは、題名からは全く中身が想像できなかったが、プレイをスタートすると自分が超能力を開発する学校の訓練生になった…ということがわかる。テストをクリアして、超能力者になるのだと…。
テレパシー、念力…そういう感じ。
ランプが5つあって、次に光るのはどれか、当てるテスト。
カードの中から、指定の絵のものを当てるテスト。ESPカードって、確かにあったけどね!「ムー」とかの雑誌の宣伝にトランプのように売っていたのを覚えている。
画面の中の亀とか、人形とかを念力で決まった方向に動かすテスト、窓から見る飛行船がどこから出てくるか当てるテストもあった。
なんせ、テストを受けに行くときに、自分の部屋のドアさえ「念力を込めてボタンを押さないと開かない」のだ。
まず、念力をこめてドアを開けろ、と言われるときは、コントローラのボタンを、適当に押してはいけない。ゆっくりと、何回か押すと開く。
このあたりまでは、まあよかったのだ。そんなもんだろう…という予測も出来た。
しかし、どのランプが光るか、当てろ。になると、なかなか当たらない。テストをクリアしないとゲームが進まないので、どうにかして10問中7回ぐらいは当てなくてはならない。
このゲームを私と一緒に遊んでいたのは当時無職で暇だった友達、智樹(仮名)だった。
「なあ…これ、法則とかあるのか?」
「わからないね…一応メモってるけど」
私は、テストが始まってから、光るランプのパターンを番号でノートに書いていた。
毎回同じパターンで光るのなら、やり直しをすればいいわけだし、パターンが繰り返されるのにしても、どこかで法則性があるのなら始点と終点さえわかればどうにかなるだろう、と。
しかし法則は見つからなかった。5個のランプが10回光るテストを、30回ぐらいやってみたが、どうにも…。
…と、そのうち、8回正解してテストをクリアした。急いでセーブ。
どのテストも、法則性がわからず、コントローラのボタンを早く押すと、「いい加減なことをするな」だったか「丁寧にやれ」だったか、お小言をくらう時もあって、しょうがない、偶然に正答が出るのを狙って、セーブ、ロードを繰り返してじわじわと進む。
「なあ…これ本当にそのうち超能力が(自分たちから)出るんじゃないか?」
「アンタ、そんなこと本当に信じてるの?」
とかなんとか、ぐだぐだになりながら進める。キャラが進むと思う方向の十字ボタンを押せ、とか、4カ所のうち、次に選ばれるのはどこか…というような、バリエーションがあるようで全然ない超能力テストを受け続けて1問ずつ偶然当ててはセーブして…。
訓練所での訓練が終わると、次は街に出る。
街の人が出会うと出してくるクイズもまた、正解を予知とか、透視するといったようなもので、訓練所と大差ない。
正答率も10問のうち8個出せとか、7個出せとか…。偶然を8回当て続けるというのは、確率としてはありでも、なかなか難しい。
全く解けないというのはゲームとして成立しないんだから…と思って法則を発見しようと頑張ってみるもののわからないまま、偶然当たったらセーブを繰り返して進む。
「このゲーム、考えたのは誰なんだろう、頭おかしいよな」
「売れると思って、OK出した人は脳みそ発酵してると思うよ」
こんなゲームをまじめにプレイしている自分たちも、相当変だよ…というのを棚に上げて愚痴りながら、解いた。
丸一日では解けなくて、次の日までかかったと記憶している。
最後の問題をクリアすると、字がズラズラと出るエンディングが来る。
うわあ、終わったあ!!
「超能力が、発達した気がする?」
「いや、忍耐力が…多分」
ビールで乾杯して健闘を称えあった。
今、考えるとすっごい暇だったんだなあ…。そしておバカだった。若いころって本当に本当に、時間を無駄に過ごせたんだなあ。
智樹と会うと、大抵このゲームの話になって、お互い大笑いになる。暇だったねえ、馬鹿だったねえ…、若かったねえと。
神がかりというか、なんというか…超能力な1本でした。
ちなみに、ソフトは渡米する時に友達に全部配ってしまった。本体ごと、私の安いゲーコレクションを持って行った人とはもう今は連絡を取っていないので、どうなったか不明。今売ったら、高そうな