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毎日更新!LuckyDuckyDiary

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きんもくせいの香り

キンモクセイの香りが、町中に漂う季節になった。

私の実家の庭には、キンモクセイの木があった。その花を水につけて、「香水やさんごっこ」なんていうのは、女の子なら、みんながやる遊びだった。
砂糖菓子のような、あのオレンジの小さな花の香りは、甘く濃く、もちろん食べられないことは知っていたが、それでも、私はその季節に、塀にこしかけて、ただ、その香りを楽しんだものだった。

一年生になった、秋のこと。
下校途中で、やんちゃ坊主のシンゴ君とテツヤ君がが、「あーー。トイレのにおい」という。
キンモクセイの香りが、トイレのにおいだというのだ。

えーーーっ。
なんだか、仲良しの友達の悪口を言われたような気がした。

同意する子が何人かいた。そのころ、人気のあったトイレの芳香剤に、キンモクセイの香りを模したものがあったからだろう。

一年生は、全員集団下校。嫌いな子でも、苦手な子でも家の方角が同じというだけで、グループで一緒に帰らなくてはならないというもので、私はこの、やんちゃなシンゴ君とテツヤ君ペアが、すごく苦手だった。
先生に一番注意されるのは、シンゴ君、次にお小言を食らうのはいっつでも、すぐ女の子を泣かせるテツヤ君。
シンゴ君は、かばんのフタを閉めるのを忘れて、道端のどぶ川に、教科書を全落としにしたことがあるような子だったし(残りのグループメンバーは、絶句した)、テツヤ君は、あまりにも「くつがへる」というので、お姉ちゃんのおさがりの、赤いのを履かされていたという記憶がある。

息子のクラスメイトにも、こんな感じの子が一年生の時には、いたことを思えば、当たり前っぽい子だったのだろうけれども、勉強が出来ておとなしめだったコウジ君と、私は、「あーあ、早く帰れるといいのにね、集団下校がなきゃいいのに」と目で会話しつつ、黙って、シンゴ君テツヤ君が出すからかいや、パンチや、キックや、ちょっかいに耐えていた。通学時間は、結構長くて、一年生の足だと、30分は優にかかった。

なかなか、「そんなの、ちがうよ、トイレの芳香剤のにおいが、キンモクセイの真似をしているんだから」とは、言えなかったのだった。

 その時…。私は決心したのだった。

将来、自分の家(とトイレ)を持つことになっても絶対、キンモクセイのにおいのは、使わない!と。

 この前、小学生の息子と自転車で街を走っていて、「おかーさんこれ、なんのにおい?」と息子が聞いてきた。おいおい…この年になっても、知らなかったのか、と思いながら、「キンモクセイという木の、花のにおいだよ、みたことない?」と聞くと、「?」という感じだったので、次のキンモクセイの目撃地点で自転車を止め(小学校の本当にそばだった)、「これよ、これ」と木を見せた。

「あーーーー。これかあ」
…という反応を見ると、見たことはあったらしいが、このあたりに、集合的に発生するので、においの発生源が特定出来なかったみたい。

 「いい、においだねえ」

息子が言った。

 私は、約束を果たしたよ、ね。昔なじみの、キンモクセイに。

そうだね、息子。これは、本当に、いい匂いだよ。おかーさんも、そう思う。

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    まこ

    Author:まこ
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    ゲーマーで、本好きで、クラフト好きです。

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